(※写真はイメージです/PIXTA)

勝ち投資家と負け投資家のポートフォリオを比較してみると、そこには歴然とした差が見られます。本記事では『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)から、著者の〈かぶカブキ氏〉が、両方の差は一体何なのかを紐解くとともに、「勝ち組のポートフォリオ」になるための方法を解説します。

負け投資家のポートフォリオができるまで

負けている投資家には、その保有銘柄のリスト(ポートフォリオ)にも、特徴的な共通点があります。含み益のある銘柄は非常に少なく、あってもその含み益は小さく、ほとんどが含み損を抱えた銘柄で構成されているのです。

 

これは、投資してきたすべての株が下落したからではありません。含み益になった銘柄は早々に利益確定する一方で、含み損になった銘柄は手放すことなく、ひたすら上がるのを待って塩漬けするのを繰り返しているため、自然とこのようなポートフォリオができあがってしまうのです。

 

[図表1]

 

実際、含み損の銘柄をいくつも持っていると、ひとつやふたつは本当に時間が経てば含み損がなくなる銘柄はあるので、投資している本人はそれが損を出さない正しい方法だと信じています。

 

何十年もかければ確定損はゼロにできるのかもしれませんが、これでは勝ちとはいえません。これが典型的な負け組のポートフォリオです。

 

証券会社では営業パーソンの異動や離職が頻繁にあるので、同僚が担当していた顧客を引き継ぐことがよくありましたが、多くはこのような含み損だらけの状態になっていました。

 

営業パーソンが損切りをしたがらない顧客から手数料を稼ごうとすると、利益確定させるしか方法がありません。そのため営業パーソンは早めの利益確定を推奨し続け、それに乗った顧客のポートフォリオは、含み損だらけになるのです。

 

この含み損だらけのポートフォリオは、証券会社の営業担当者の言う通りに売買しても、基本的にはまったく勝てないことを物語っています。お客様はもちろん、営業も勝ち方がわかっていないのが今の対面証券営業であり、心の底からオワコンだなと感じます。

 

読者の皆さんも、くれぐれも証券マンや他人のアドバイスで投資判断するのではなく、手数料の安いネット証券で、自分自身で考えて投資判断してください

 

しかし、その際に頼るのは情報収集とそれに基づく思考・分析であり、決して感情ではありません。損はなるべく確定せず、利益は小さくてもいいから早めに確定したいという感情に従っていれば、損がどんどん拡大し、投資資金がロックされ、機会損失を生むことになります。

 

含み益になったとしても、早々に利益確定するので微益にしかなりません。結果として、ハイリスク、ローリターンの取引ばかりが生み出され、含み損だらけのポートフォリオが爆誕することになるのです。

 

「投資の神様」といわれるウォーレン・バフェットも、「他人が貪欲になっているときは恐る恐る。周りが怖がっているときは貪欲に」というような言葉を残しているそうです。これは「欲に負けずに、恐怖に打ち勝て」、要するに本能とは逆の行動をせよという意味です。

 

市場が悲愴感で売り一色になっているときに買い向かうことや、皆がどんどん上がるぞと盛り上がっているときに冷静に利益確定するのは、言うだけなら簡単ですが、その渦中にいると本当に難しいものです。

 

恐怖に勝つというのは「自分から進んで崖から飛び降りろ」と言われて、躊躇なく飛び降りるようなものだからです。普通の精神ではそんなことできません。

 

個人投資家の9割が負けているというのもよくいわれることですが、それは感情のままに行動すれば負けるしくみになっているからだと思っています。

優秀な人材をクビにして、ダメ人材を抱え込んでいないか

あなたがとある企業の営業所の所長だと想像してください。部下にはたくさん売り上げてくれる超優秀な営業パーソンもいれば、いっこうに成績が伸びないダメ人材もいます。

 

持ち株の中で利益が乗っている銘柄を早々に利益確定するということは、稼ぎ頭の営業パーソンをさっさとクビにしているのと同じことです。そして損切りを遅らせるのは、成績の悪い営業パーソンをいつまでも大切に抱えていることになります。

 

こうした行動を続けていると、新しい人材を採用しても同じようにスター候補を早めにクビにして、売上が取れない人材を長く抱え込んで教育を続けることになるので、その営業所はいずれダメ人材で埋め尽くされることになります。

 

こんな運営を続けていれば、あなたの営業所の成績は悪化の一途をたどるのは当然です。自分のポートフォリオが同じような状態になっていないか、振り返ってみてください。

 

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