(※写真はイメージです/PIXTA)

国税庁の調査によると、日本の1年を通じた給与所得者数は5,078万人、平均給与は458万円(「令和4年分 民間給与実態統計調査」)。物価の高くなるなか、将来へ向け貯金もしたいと考えると、この数字は果たして十分であると言えるのか。

ところが、年金はいくらもらえるのか…?

前述の調査によると、厚生年金の平均受給額は1年で約174万円であったが、現役世代が年金を受給する年齢となったときに、果たして同程度もらえるのであろうか。年金は積立制度であり、毎年払い続けているものであるが、一方で賦課方式でもあり、受給者に支払われている年金の財源は現役世代が支払っているものだ。

 

この超高齢化社会が、賦課方式である年金制度をいかに危機的状況に陥れるか、厚生労働省の「事業年報概要」から見ていこう。

 

“人口動態統計によれば、わが国の出生数は、昭和46~49年の第二次ベビーブームには毎年200万人を超えていたが、昭和49年以降、出生数、出生率とも減少傾向を示している。平成29年の出生数は95万人と前年に比べて3万人減少し、合計特殊出生率(15歳から49歳までの女子の年齢別出生率の合計)は1.43(前年比0.01減)となっている。

 

年齢別人口(総務省統計局:人口推計月報による)をみると、平成30年4月1日現在で65歳以上人口が3,538万人と年々増加しており、総人口の28.0%を占め、4人に1人が65歳以上人口となっている。

 

将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所、平成29年推計、出生中位(死亡中位)推計)によると、65歳以上人口は、2042年のおおよそ3,935万人をピークに減少を始めるが、65歳以上人口割合は低出生率の影響を受けて2042年以降も上昇を続け、2065年には38.4%の水準に達する。すなわち5人に2人が65歳以上である超高齢社会になると推計されている。”

 

現役世代が減少するなかで、5人に2人が65歳以上になる時代に、果たして現状と同様の金額が支払われるのか。ましてや「人生100年時代」と言われ、寿命は長くなるばかり、それに伴い「認知症」患者も増え続けている。

 

働けるうちは「支える側」にまわり、働けなくなった際には「支えられる側」になるというぎりぎりの時代がすでに差し迫っている。力尽きるまで働き続けながら、「それでも仕事があるから、まだいいほうだ」と下向きに自分を奮い立たせる日常が普通になってはいけないだろう。

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