(※写真はイメージです/PIXTA)

新年度に向けて、「経営計画」を考えているという企業は多いと思います。しかし、社員にとって経営計画が他人事となってしまっている企業も少なくないのではないでしょうか。本稿では、社員数50名の新聞販売店を23年間経営し、多くの企業の経営支援に携わってきた米澤晋也氏が、社員が経営計画に関心を持ち自分事にするための実務を、実例等を交えて詳しく解説します。

 

「経営計画を通達するだけ」では社員は自分事にしない

経営計画書が他人事になる、もう1つの理由は「参画不足」です。

 

アメリカ国立訓練研究所によると、人は一方的なインプットでは、「聞いたことの5%」「読んだことの10%」「見たことの20%」と、たいした学習はできないことが分かっています。それに比べ、「グループ討議をした場合50%」「自ら体験した時は75%」「人に教えた場合は90%」と、能動的に参画すると学習効果が高まるというのです。

 

経営計画書には「想い」「ビジョン」「方法」が盛り込まれている必要がありますが、それぞれに社員が参画することで、学習効果が高まるばかりでなく、経営計画を自分事にします。

 

ビジョンを描くにあたって、個人のビジョンを考えることの効果を先述しましたが、これも立派な参画で、その効果は想像していただけたかと思います。

 

「想い」に関しても、社長は、自分の事業に対する想いを社員に伝えるとともに、一方通行ではなく、社員にも自分の想いを語ってもらうことが大切です。丁寧に対話することで、徐々に社長の想いと社員の想いが統合し、やがて「我々の想い」に昇華します。

 

長野県にある、アレルギー対応のパン店の事例を紹介します。店主のお子さんに重いアレルギーがあり、幼少期から辛い思いをしてきました。12月25日に息子さんが学校に行くと、お友達からクリスマスイブで食べたご馳走の話を聞きますが、その話に登場する食べ物を何1つ食べたことがないのです。悲しむ我が子を見ると親も罪悪感に苛まれます。

 

そんな人たちのために、アレルギー対応のパンづくりを習得し生業にしたのです。

 

この想いへの共感は、社員だけでなく顧客にも広がり、多くの人に支えられ豊かな商売をされています。

 

起業した人には必ず思いがあるはずです。2代目3代目の後継社長は「跡取りだから」という理由で継いだかもしれませんが、「将来こうしたい」という想いはあると思います。それを表明し、対話をすることをお勧めします。

 

ビジョンを実現する「方法」に関しては、すでに何らかのやり方で社員が参画している企業が多いと思います。「想い」「ビジョン」へ参画することで、「方法」の意味づけが変わるでしょう。「私が今やっている仕事は、自分の想いの開花に通づる」と。

 

社員に参画してもらうためには、そのための時間をつくる必要があるため、敬遠する社長がいますが、最初の段階で時間をかけることで出発してからの滞りが少なくなり、結果的にスピード感のある経営が実現すると思います。新年度の計画づくりの参考にしていただければ幸いです。

 

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