相続した実家の売却には苦労がつきものです。不動産業者ですらソッポを向いてしまうような物件を相続したときは、どのように対処すればよいのでしょうか。本稿では、三木章裕氏の著書『実家の「空き家」超有効活用術』(フォレスト出版)より一部を抜粋し、相続した物件を空き家にしないコツについてみていきます。

放置空き家誕生の原因

しかしながら、相続などで不動産が共有になっている場合は、それぞれの遺産額の分配にも影響し、またローンなどの借入れが残っている場合、返済をどうするのかも決めなければなりません。

 

こうなると、買主がいても、そうそう売れない場合も出てきます。

 

下手をすると、相続人同士の分配金の調整がつかず、売れる値段がわかっていても塩漬けになってしまいます。

 

相続した実家を空き家のまま“塩漬け”にしているAさんの事例

Aさんは、ごきょうだい(弟、妹)と両親の実家を相続することになりました。実家は売却して、ローンが一部残ったものを返済したのち、きょうだいで平等にお金で分配することになり、Aさんが主導で、売却を進めていました。

ところが、当初想定した金額では売れず、購入申込みが入った金額での売却を弟妹に打診したところ、弟さんは「それは安く売りすぎだ! もっと高く売れるはずだ」と言い始めて、Aさんも、売却について手を煩わすのが嫌になってしまい、物件は塩漬けで現在空き家のまま放置されています。

しかし、人の住まない家を放置すると、ますます荒廃してしまい、住宅として売ることも困難になります。地元からは、あまり放置せずに、解体するなり売却してほしいという話が出るのですが、きょうだいともに率先して手をつける者がいない状態です。

 

このような相続問題で空き家になっている物件も年々増加しています。値段はともかく、購入希望者のあるうちに売却しないと、時間が経つほど売りにくく、この情勢ではますます価格も下がっていくと思われます。

 

これだけ空き家が増えて、物件が選び放題になっている現状で売り損ねると、もう二度と買い手がつかないことも十分に考えられます。

 

安値で売る決断をするか?

 

売却することをあきらめて活用することを考えるか?

 

早い決断が必要です。遅い判断は、ますます物件の価値を毀損してしまうだけです。

 

実家の「空き家」超有効活用術

実家の「空き家」超有効活用術

三木 章裕

フォレスト出版

【放置しているだけで、年間コスト50万円以上! 実家が「空き家」になったときの有効活用法】 人口減少社会にある日本において 本格化してきている「空き家」問題。 「自分には関係ない」 と思っていたら大間違いです…

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