富裕層がタクシーを利用するワケ
経営コンサルタントという仕事柄、経営者など富裕層との付き合いが多いのですが、このような方々はとても忙しく、時間の価値をよく理解しています。だからこそ、110円の節約のために遠くの銀行にお金をおろしに行くことはまずありません。
タクシーの利用が多いのもタクシーの方が早く目的地に到着でき、車内で仕事の電話や資料の確認などができるからです。ある一部上場企業の役員とオンラインミーティングをする際は結構な割合でタクシーの中からです。
秘書を雇うのも、年間数百万の費用になりますが、単に楽をしたいというわけではなくそこで浮いた時間でそれ以上の収益をあげることができるという計算があるからです。富裕層はパソコンやスマホなどデジタル機器の買い替え頻度も高い方が多いです。デジタル機器は日進月歩で進化しており、古くなると処理速度が遅くなり作業効率も悪化します。
更にバッテリーの持ちが悪くなると、いざという時に使えないというビジネスパーソンとして致命的な状況に陥る可能性があります。富裕層でボロボロになったスマホを使い、常にモバイルバッテリーを持ち歩くような方はあまり見かけません。
外食をする際も、行列に並ぶ人は少ないです。行列に並ぶ時間がもったいないですし、疲労も溜まります。また無駄なトラブルに巻き込まれるリスクもあります。行きたい店があれば基本的に予約しますし、ランチをする際も混雑する時間は外していくものです。
海外に行き、節約のために自炊をするのはもったいない
最近、海外旅行に行って自炊するという話を聞くことがあります。海外ではインフレや円安が進み、外食した際の費用が高いというのが理由です。しかし、長期で行くバックパッカーのような旅行ならともかく往復何十万円もの費用を掛けて海外に行き、数回しかないディナーの機会を自炊で済ますというのは実にもったいないことだと感じます。
もちろん、現地のスーパーで売っているものを食べたい、ホテルの部屋でゆっくり夕飯を楽しみたい、小さい子供が居るので外食の負担が大きいなど特別な理由があれば別ですが、そこで節約のために自炊というのは、そこまで行く費用を考えるととてももったいない感じがしてしまいます。
そこまで節約しないといけないなら無理に海外に行かずとも国内でも十分楽しい場所があると思うのですが……。節約というキーワードを肯定し過ぎず、自分の時間を切り売りする労働という感覚を持ち、バランスを大切にしたいですね。
平野 薫
小宮コンサルタンツ
エグゼクティブコンサルタント
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