(※写真はイメージです/PIXTA)

マイホームの購入を検討している人にとって、住宅ローンをどう利用するか、なかでも「変動金利」と「固定金利」の選び方について、頭を悩ませる人は少なくありません。現状では約6割の人が「変動金利」を選択しているといいますが、「まずは変動金利と固定金利の本質的な違いを理解することが大切」と、住宅ローン・不動産分野で活躍するブロガーであり、公認会計士の千日太郎氏はいいます。千日氏の著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より、詳しく見ていきましょう。

変動金利の「5年ルール」と「125%ルール」

ただし、変動金利は金利が上がったらすぐに毎月の返済額が増えるとは限りません。元利均等返済方式(毎月の元本と利息の支払額合計を均等にする返済方法)で、変動金利について「5年ルール」と「125%ルール」を採用している金融機関の場合は、毎月の返済額がすぐには上がらないようになっています。

 

・5年ルール:金利が上がっても五年間は直前の元利均等返済額のままとする

・125%ルール:5年経過して毎月返済額を上げる場合は、直前の125%を上限とする

 

つまり、住宅ローンの実行翌月に変動金利がどんなに上がったとしても5年間は最初に決めた返済額のままです。そして、5年経過してからは変動金利がどんなに上がっていたとしても、最初の毎月返済額の125%までとされているのです。そこからまた5年間は支払額が一定となります。

 

最初の毎月返済額の1.25倍まで耐えることができるならば、どんなに変動金利が高騰したとしても10年間はマイホームを維持することができるのです。変動金利がいくら上がっても、住宅ローンの返済を続けること自体は可能なのです。

 

困るのは、むしろ最後です。どんなに金利が上がっても家計にさほどの痛みはなく、最終回に先送りされるのです。支払利息が増えたのに返済額が増えないということは、当初の予定通りに元本が減らないことを意味します。

 

予定通りに減らなかった元本は底だまりに溜まっていき、それに対して利息も付きます。その溜まった元本は、住宅ローン契約で決めた完済日には、返済するように請求されます。収入の減る定年時にこれが顕在化すると、老後破産につながる可能性もあります。

 

つまり、変動金利で金利が上昇したときのリスクは、住宅ローン契約の途中で返済を続けられなくなるリスクではなく、住宅ローン契約の最後に完済できないリスクなのです。

 

 

千日 太郎

オフィス千日 代表社員
 

注目のセミナー情報

【国内不動産】5月13日(月)開催
銀行からフルローンを引き出す「最新不動産投資戦略」
利回り7%超!「新築アパート投資」セミナー
~キャッシュフローを最大化させるためのポイントも徹底解説

 

【国内不動産】5月16日(木)開催
東京23区×新築×RC造のデザイナーズマンションで
〈5.5%超の利回り・1億円超の売却益〉を実現
物件開発のプロが伝授する「土地選び」の極意

 

【事業投資】5月25日(土)開催
驚異の「年利50% !?」“希少価値”と“円安”も追い風に…
勝てるBar投資「お酒の美術館」とは

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

■入所一時金が1000万円を超える…「介護破産」の闇を知る

 

■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走

 

※本連載は、千日太郎氏による著書『住宅破産』(エムディエヌコーポレーション)より一部を抜粋・再編集したものです。

住宅破産

住宅破産

千日 太郎

エムディエヌコーポレーション

日常の家計収支の面では賃貸も住宅ローンも同じです。住宅ローンを滞納すると、住宅を手放さなければならなります。マイホームの使用価値を享受するために所有者が払うリアルな金額は毎月の住宅ローンの返済額です。マイホーム…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧