「毎日韓ドラばかりみています。」退職金1,000万円・年金13万円で家にこもる、65歳おひとり様…“老人ホームには入れない”高齢者の引きこもり→孤独死の既定路線【FPが解説】

「毎日韓ドラばかりみています。」退職金1,000万円・年金13万円で家にこもる、65歳おひとり様…“老人ホームには入れない”高齢者の引きこもり→孤独死の既定路線【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

もともと休日に外出する習慣のない人たちは、定年退職後、食料や日用品の買い出しのとき以外、家に閉じこもるというケースは少なくないでしょう。仕事という社会との接点を失ったあとも、人生はまだまだ長く続くかもしれません。本記事では、田沢さん(仮名)の事例とともに、高齢者の引きこもりのリスクについてFPの小川洋平氏が解説します。

おひとり様の老後不安を軽減するために

田沢さんがまずすべきことは、情報を仕入れて自分の生き方をお金の計画とともに設計しておくことです。本来であれば現役のころに自分の老後の生活設計をもっと具体的に考えてくことがベターでした。

 

順当にいくと、田沢さんよりも母親のほうが先に亡くなります。母親が亡くなることにより、今後身よりのない状態となる可能性も高いでしょう。年齢を重ねた際に、行政による見守りサービスなどがありますので、そういった情報を事前に得て、それに対してこれからの人生で必要なお金の計画を考えておくことが重要です。

 

もしも不安が残るのであれば、定年退職したあともパートタイムで働きながら収入を得たり、公的年金を繰り下げ受給することで年金の受給額を増やすことも可能でした。社会との接点も持てるうえに、引きこもりによる筋力の低下も多少なりとも防ぐことができたでしょう。

 

また、2,500万円と比較的資産も保有していたため、運用しながら取り崩す計画を立てておくことで資産の寿命を延ばし、サ高住への入居も現実的な選択肢とできたかもしれません。

 

また、人付き合いが苦手といっても、誰とも関わらずに生きていくこともなかなか難しいものです。地域コミュニティなどに所属してみて、週一回、月一回など、あまり頻度は高くなくてよいので参加してみて、なにか生活で困ったときに相談できる友人をつくることなども、孤独感を軽減するためにも大事なことです。

65歳~69歳の引きこもりの人数は14万人と推計

総務省が2020年に発表した国勢調査によると日本の世帯数5,583万世帯に対して、65歳以上の高齢者単身世帯は671万世帯であり、高齢者の5人に1人が1人暮らしをしていることがわかります。

 

昨今では核家族化の影響と、未婚者、子のない夫婦が増加したことにより田沢さんのように一人で老後を迎えることになる方も増加してきています。

 

内閣府『こども・若者の意識と生活に関する調査 (令和4年度)』、総務省『人口推計』(2022年10月1日時点)をもとに、引きこもりの出現率を各年齢に当てはめると、65歳から69歳までの引きこもりの人数は、14万6,934人と推計されます。65歳から69歳までのあいだで14万人以上であれば、70代以降の引きこもりの人数の多さは用意に想像がつくでしょう。

 

夫婦で暮らす場合や子供がいる人とは違い、田沢さんが心配していたようなことを事前に情報収集し、自分はどうすべきか生活設計を考えていくことが必要です。

 

また、老後2,000万円問題が話題になりましたが、その人によって老後に必要な生活費は異なります。夫婦2人で生活していくのと、1人で生活していくのでは公的年金の収入は半分になっても生活費が半分になるわけではありません。

 

こういったお金の問題も含め、自分がリタイア後の生活をどう生きていきたいかに合わせてお金のこと、自分の身体の自由が利かなくなったときの身の回りのことをどうするか、考える必要があるといえます。

 

 

小川 洋平
FP相談ねっと

 

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