(※写真はイメージです/PIXTA)

「福利厚生」と聞くと、「社員側にメリットが大きい」というイメージが強いかもしれませんが、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏は「福利厚生を充実させると、経営者・社員双方にとって“win-win”になる」といいます。その理由と、節税になる「5つの福利厚生」について、詳しくみていきましょう。

「残業時の食事代」も福利厚生費になる!

2.残業時の食事代

黒「残業時の食事代を会社が負担したのであれば、給与として課税されません」

 

――残業の途中ではなく、終わってから食べるのはダメですか?

 

黒「そうですね。食事は残業が終わったあとでもかまいません。ただし、残業後に居酒屋などで飲食をした場合には、『適正な額でない』と否認されることがあるので注意してください。また、勤務時間“外”であることが条件です。通常の勤務形態の時間内の食事代には、適用できません」

 

――昼食を社員食堂で提供して、その費用を福利厚生費にすることはできませんか?

 

黒「昼食代の一部を会社が負担して、福利厚生費に計上することは可能です」

 

――「一部」というと、具体的にいくらぐらいでしょうか。

 

黒「まず、勤務時間内の食事支給を福利厚生費として認めるには、『給与から従業員負担分を天引きする』という要件を満たす必要があります。

 

そして、会社側が負担できる金額は、1人当たり1ヵ月3,500円、 年間4万2,000円までとなっています。仮に従業員が20人いれば、年間で84万円経費として使うことが可能です。

 

反対に、役員や従業員の立場からもみてみましょう。たとえば社員食堂での昼食代が500円だったとして、1ヵ月のうち20日間利用して3,500円分を会社が負担したら、1食あたり325円です」

 

――いつもお昼に外食している場合、社食のほうがだいぶ安上がりですね。では、勤務時間内に社外の人を含めて会議を行って、そこでお弁当を出した場合やランチ・ミーティングを行った場合は、福利厚生費にできないんでしょうか?

 

黒「その場合、福利厚生費ではなく、『会議費』として経費にできます。理想としては、議事録をしっかりと残しておくことをおすすめします。もし会議が頻繁で、毎回議事録を作るのが難しい場合は、参加したメンバーの名前なんのための会議だったかがわかる記録を残しておきましょう」

 

3.健康診断

黒「健康診断にかかる費用は、本来は、本人が負担するべきであり、会社経費とはなりません。しかし、役員と社員の全員を対象に健康診断の費用を負担した場合には、経費となります」

 

――これはうちも毎年やってますね。全員対象が原則なんですね。

 

黒「はい。経営者としては、重要メンバーである“役員のみ”や“幹部のみ”にしたくなるかもしれませんが、福利厚生は『平等性』が求められるため、全社員を対象としてください。ただし、“一定の年齢以上の人”などという制限の仕方であれば、経費として認められます」

 

――年齢で絞るのはありなんですね。対象者それぞれに費用を渡して、各自で診断機関に払ってもらえばいいですか?

 

黒「福利厚生費にするには、会社が診断機関へ直接費用を支払わなければなりません。従業員が立て替えてしまうと福利厚生費としては認められません」

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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