〈老後資金の調達〉〈死後の自宅処分〉がまとめて実現!?高齢者にとって夢のようなシステム「リバースモーゲージ」に潜む“見過ごせない落とし穴”

〈老後資金の調達〉〈死後の自宅処分〉がまとめて実現!?高齢者にとって夢のようなシステム「リバースモーゲージ」に潜む“見過ごせない落とし穴”
(※写真はイメージです/PIXTA)

自宅を担保に借入れをし、契約者の死後自宅を売却することで返済を行う「リバースモーゲージ」。老後資金の確保に便利な制度ですが、同時にリスクもあると“家計の専門家”として活躍する経済ジャーナリストの荻原博子氏はいいます。荻原氏の著書『老後の心配はやめなさい』(新潮社)より、「リバースモーゲージ」を検討するうえで必要なポイントについて見ていきましょう。

リバースモーゲージの「3つのリスク」

「リバースモーゲージ」は、一般的には55歳以上でないと借りられません。

 

70歳で契約して90歳で亡くなったら、金融機関が貸したお金を回収するのは20年後。けれど、40歳だと、50年後ですから、回収までに時間がかかりすぎるので対象とならないのです。

 

死んでから資金回収をするタイプの場合、都心の一等地の物件など、価値が下がらないことが予想されない限り、大したお金は借りられません。しかも、こうした商品には、大きく3つのリスクがあります。

 

①長生きリスク

契約者の長生きに備えて、契約期間を定めるケースがあります。契約期間を過ぎたら、返済を迫られ自宅を追い出されてしまうケースもあるのです。

 

②評価額リスク

担保物件の評価額が下がったら、借入金が予定より減らされたり、融資が中断される危険性があるのです。

 

③融資額リスク

通常、家を担保にお金を借りると、評価額の7割程度の融資が受けられますが、リバースモーゲージは2〜5割程度とかなり低くなるのです。

 

「リバースモーゲージ」では、金融機関にしっかり見積もりを出してもらいましょう。もし、今売却したら5,000万円になる家が、1,000万円の評価にしかならないなら、家を売却して新しい小さなマンションを2,000万円で買い、3,000万円を老後の資金にしたほうが安心ではありませんか? 

 

 

荻原 博子

経済ジャーナリスト

 

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※本連載は荻原 博子氏による著書『老後の心配はおやめなさい』(新潮社)より一部を抜粋・再編集したものです。

老後の心配はおやめなさい

老後の心配はおやめなさい

荻原 博子

新潮社

親の介護に必要な額が3000万円?! 準備すべき自分の老後資金は2000万?! わずかな年金だって破綻したらどうする?! 増えない貯金、揉める相続、かさむ医療費……その心配、本当にするべきなのでしょうか。不安になるのは知らない…

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