(※写真はイメージです/PIXTA)

※本記事は、東洋証券株式会社の中国株レポートから転載したものです。

現地の各証券会社による個別の見通し

そのなかで、方正証券は3,720ptまで上昇すると予想。「資本市場の活性化と投資家センチメントの改善」を促す政策をポイントと見ているようだ。景気後退や半導体チップの技術的遅れ、AI分野での米国との格差などの諸問題が解決されれば4,000pt近くまで買われる可能性もあると強気だ。

 

国泰君安証券は、23年に売られ過ぎ感があったブルーチップを中心に買い戻しの動きが強まると見る。一方、グロース株からの資金引き揚げを懸念している。

 

招商証券は、IPO減少に伴う需給改善や大株主による株式売却制限などが相場の下支え材料になるとの見解を示す。

 

海外投資資金の動向について具体的な予想はなく、23年実績(300億元前後の買い越し、12月下旬時点)よりやや増加という弱気な見方がある程度。不動産債務問題の解決や景気対策の効果が現れるまでは外資が積極的な買いに転じるのはやや厳しそうだ。

 

2024年の中国株式市場…注目セクターは

注目セクターの筆頭格としては半導体やロボットが挙げられる。ファブレス半導体大手の上海韋爾半導体(603501)が注目されよう。コネクテッドカーの普及進展を背景に同社の強みである車載用画像センサー(CIS)の需要増が期待される。

 

また、産業用ロボット大手の南京埃斯頓自動化(002747)や、精密減速機を手掛ける浙江双環伝動機械(002472)なども物色されそう。少子高齢化に伴う労働力不足を受け、中国政府は産業のオートメーション化を推進中だ。

 

市場では国産化率も上昇中で、地場系企業に有利な環境が続くと見られる。

 

 

山藤 秋男

東洋証券株式会社 上海駐在員事務所

中国株アナリスト/ストラテジスト

 

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※本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。
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