〈新NISA〉40歳から月5万円積み立て→30年後の「資産額」に衝撃…“やるなら一日でも早いほうがいい”納得の理由【日経新聞記者が解説】

〈新NISA〉40歳から月5万円積み立て→30年後の「資産額」に衝撃…“やるなら一日でも早いほうがいい”納得の理由【日経新聞記者が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

新NISAを始めるにあたり、今あるお金を3つに分類し、投資に回すことのできる資金を明らかにしていくことが重要です。1,800万円の生涯投資枠への積み立ては「早く始めるほど、利回りが後半になって加速度的に高まる複利効果を得やすい」と、証券アナリスト(CMA)資格も持つ日本経済新聞編集委員、田村正之氏はいいます。田村氏の著書『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』より、詳しく見ていきましょう。

20~40代は「世界株への長期積み立て」で増やす

20~40代は、通常はまとまった資金はありませんから、できるだけ多くの金額を長期積み立て投資で増やしていくことを考えます。対象は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」など全世界株投信がお勧めです。その場合、どれくらいの額の資産形成が期待できるでしょうか。

 

将来の資産形成を考える前提の利回りは保守的には4%、平均では7%とし、資産を計算するうえでの最終的な年齢は70歳とします。現在では65歳以上でも男性の3割強が就労していて、長く投資できる人は多いと考えるからです。ただしこれはあくまで試算の前提であり、自身の働き方や収入などの状態に合わせて判断してください。

 

20歳から月3万円を積み立て投資していくと、50年間、70歳になるまでの投資で元本が生涯投資枠の1,800万円になります。保守的に年4%のリターンを前提にすると5,600万円、過去の平均だった7%であれば1億5,200万円が見込めます(図表2)。

 

出所:『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(日経BP)より抜粋
[図表2]20、30、40歳からの積み立て投資シミュレーション 出所:『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(日経BP)より抜粋

 

「年7%で1億5,200万円? 仮定の計算で極端な金額を示しているのでは」と感じる人もいるかもしれません。低金利や国内株の長い低迷に慣らされた感覚では、確かにそう思うでしょう。

 

しかし実際の過去のデータでは、資産はもっと増えていました(図表3)。2023年3月までの約50年間、データを長く取れる世界株指数(MSCI World、円ベース、配当込み)に連動する投信があったとしてそれに月3万円積み立て投資していた場合、資産は2億5,000万円になっていました。この間の平均年利回りは約8%と高かっただけでなく、途中でリーマン・ショックのような大きな調整局面があり、その安値圏でも積み立てを続けたことが最終的に資産を増やしました。

 

出所:『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(日経BP)より抜粋
[図表3]2023年3月までの約50年間、世界株に月3万円積み立て投資した成績 出所:『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(日経BP)より抜粋

 

このように実際の成績は投資期間の値動き次第であり一概には言えませんが、保守的に考えるなら年4%、過去の平均だと7%という利回りが、世界株に分散投資した場合に決しておかしくないことがわかっていただけるのではないかと思います。

 

もちろん50年というと物価も上がっているでしょうから、物価を考慮した実質価値でこうした金額になるわけではありません。しかし世界株への長期投資であればほとんどの時期で4%を超えるリターンでしたので、物価に負けない資産増が見込めることになります。

 

同じように30歳から始めて月3万7,500円で40年積み立てすると、1,800万円の生涯投資枠に達する70歳時点で、4%リターンだと4,370万円、7%だと9,320万円になります。40歳から月5万円で30年の場合は、4%だと3,440万円、7%だと5,880万円です。

 

グラフを見比べて感じていただきたいのは、同じように総額1,800万円の枠を使うとしても、できるだけ早く始めて時間を味方につけることの重要さです。早く始めるほど、利回りが後半になって加速度的に高まる複利効果を得やすいからです。「長期」「分散」「低コスト」というルールだけ頭に入れたうえで、尻込みせずに早く始めましょう。

 

もちろんずっと同じ積立額である必要はなく、余裕があれば額を増やしていき、できるだけ早くできるだけ多くの枠を満たしたうえで運用を続ける方が資産が増えやすいといえます。

 

 

田村 正之

日本経済新聞社

編集委員

 

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※本連載は、田村正之氏による著書『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本連載は、証券投資の勧誘を目的としたものではありません。 最終的な投資決定は、ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本書、本連載を利用したことによるいかなる損害などについて、著者および幻冬舎グループはその責を負いません。

間違いだらけの新NISA・イデコ活用術

間違いだらけの新NISA・イデコ活用術

田村 正之

日経BP 日本経済新聞出版

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