国も推奨する「薬の飲み合わせトラブルを減らせる方法」が全然浸透しないワケ

国も推奨する「薬の飲み合わせトラブルを減らせる方法」が全然浸透しないワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

『かかりつけ薬剤師』という制度をご存じでしょうか。2016年4月の調剤報酬改定によって始まったこの制度は、患者自らが自分を担当する薬剤師を指名することで、指名を受けた薬剤師から特定のサービスを受けられるようになりました。しかしながら当制度は、普及が進んでいないのが実情です。メリットも多いはずなのに、なぜ普及しないのか。本記事では、かかりつけ薬剤師のメリットと課題について詳しく解説します。

それでも日本にとって必要なかかりつけ薬剤師

依然としてかかりつけ薬剤師が普及しない状況ではありますが、高齢化による日本の社会構造の変化を考えると、なくてはならない存在であると筆者は考えています。

 

「団塊の世代」が後期高齢者となる2025年問題と、高齢化と人口減少が加速しインフラの老朽化も同時に進む2040年問題は、どちらも確実に訪れる未来です。そして超高齢化社会を迎えると、日常的に複数の医療機関を受診し、たくさんの薬を必要とする高齢者が増えることになります。

 

すると、重複投薬や相互作用、飲み間違い・飲み忘れによって薬を正しく服用できない問題が多発するでしょう。これらの多剤服用によって引き起こされる害を「ポリファーマシー」といいます。ポリファーマシーを防ぎ、医療費の適正化を実現するには、かかりつけ薬剤師による薬の一元管理とICT(電子版お薬手帳など)の活用が不可欠なのです。

 

かかりつけ薬剤師が地域の健康を守る

ポリファーマシーを防ぐだけではなく、地域への働きかけも期待されています。かかりつけ薬剤師は、地域医療に主体的に関わる存在です。薬の用法や副作用の管理とともに、病気の予防や健康な生活習慣を指導する立場になります。地域の人びとの健康を支える中心的存在となるでしょう。

 

また、在宅医療における調剤や薬の管理も行うわけですから、在宅患者が安心して薬を服用できることに加え、家族や介護者とのつながりも生まれます。「モノ(薬)からヒト(患者)へ」という新しい薬局のありかたは、地域を包括してケアする将来の医療体制の要なのです。

 

 

 

新上 幸二

株式会社アクシス

取締役

 

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