(※写真はイメージです/PIXTA)

エアコンの購入時にメーカーや機能で悩む人は少なくありません。しかし、本当に大事なのは「どのような性能の家で夏・冬の日当たり状況がどういう部屋においては、どの程度の容量の機種を選定するのが適正か」ということだと、一級建築士の松尾和也氏はいいます。松尾氏の著書『間取りと住まい方の科学』(新建新聞社)より、わかりやすく解説します。

「除湿」は、エアコンが最も苦手としている機能

次に除湿についても説明しておきます。今のエアコンには様々な機能があり、どれが重要なのかよくわからないというのが実態ではないでしょうか。

 

エアコンの主要な3つの機能は暖房、冷房、除湿ですが、この中で最も苦手にしているのが除湿です。なので、この能力がいかに底上げされているかは重要だと考えています。

 

ところで、大半のエアコンにおいて温度の設定ボタンはありますが、湿度の設定ボタンがないことにお気づきでしょうか。そもそも湿度は成り行き任せなのです。

 

日立の一部のエアコンには5%単位ではありますが、湿度を調整するボタンがついています。日立は「再熱除湿」という機能を最初に発明したメーカーだけに、除湿には相当力を入れていることがわかります。

 

「除湿のほうが冷房より省エネっぽい」は間違い

除湿というのは梅雨時期のように「暑くはないけれどジメジメしている」時期にのみ必要な機能です。まずはここを間違えてはいけません。

 

またエアコンにおいて除湿とは、中の冷媒とよばれる液体をキンキンに冷やすことで空気中の水蒸気を結露させ、ドレン配管をとおして外にポタポタと捨てるということです。

 

ということは、しっかり除湿したい場合ほどキンキンに冷やす必要があるということがわかると思います。ところが、梅雨時期はジメジメしているだけで暑くはないので、キンキンに冷やすと湿度は下がっても必要以上に寒くなってむしろ不快に感じてしまいます。

 

そこで、キンキンに冷やして除湿された冷たい空気に「再び」熱を与えてから室内に放出する(だから再熱という)ことで、さも除湿だけを行ったようにしているのが再熱除湿という機能です。

 

このような仕組みなので、当然冷房以上に再熱する分だけエネルギーを使います。

 

「除湿のほうが冷房より省エネっぽい」と思われる方が多いのは、中下位機種で弱冷房除湿というものでそういう機種もあるからかもしれません。

 

しかし、再熱除湿やそれに類する方式の機種については、除湿の方が電気を使うということを間違えないでください。

 

2022年1月の時点で、再熱除湿が選択できるメーカーは日立と富士通ゼネラルの上位機種と、ごく一部の三菱の機種に限られます。このあたりは知っておいて損はないでしょう。

 

 

松尾 和也

松尾設計室

一級建築士

 

 

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※本連載は、松尾和也氏による著書『間取りと住まい方の科学』(新建新聞社)より一部を抜粋・再編集したものです。
※本連載に明記のメーカーや機種名は、筆者調べによるものです

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