お金持ちになりたければ、投資信託を買って「忘れる」べき
また、100万円なりの、まとまったお金を運用するにしても、「忘れる」という人間の習性を大いに利用するといいでしょう。
たとえば100万円あったとして、それを普通預金に置いておくのはもったいないですよね。利子なんかほとんどつかないし、普通預金にあれば「いつの間にか使っちゃった」となるのがオチですから。
それから、同じ「自動的」でも、銀行の総合口座で提供している「自動借り入れ」のサービスは、利用してはいけません。これは、普通預金の残高が不足した場合、定期預金を担保に不足している分を自動で借り入れすることができるものです。普通預金に入金すれば、自動的に返済が行なわれます。
一見便利なようですが、自分のお金を借りるのに利子を払う、という妙な話になります。仮に年利1%で定期預金を運用しているとして、そこから借りると、返済するときに「担保定期預金の約定利率+0.5%」だったりを取られるのです。結果、定期預金のほうは当然、マイナス運用になってしまいます。
そんなことをするくらいなら、100万円を普通預金に置いたままにしておくほうがよっぽどマシです。いつの間にか使ってしまったとしても、少なくとも余計な金利は払わずにすみます。
普通預金の通帳に赤い数字をズラリと並べて、「定期預金があると、9割まで借りられるから、便利だぜ」などといっている人を見ると、バカバカしいにもほどがあると思いますね。
ですから、10万円でも50万円、100万円でも、ちょっとまとまったお金ができたら、手堅い運用をする投資信託の一つでも買って、そのまま「忘れる」のがベストです。「10年経って、どうなったかなと見たら、100万円が200万円になっていました」というようなことはザラにあります。
いずれにせよ、人間の「忘れる」という習性を使うこと。そうして、時間を味方につけて、「知らないうちにお金が増えている」状況をつくると、意外なほどいい結果が出ます。
とくに時間がある若い人には、このことを覚えておいて損はないと思います。「時間」があなたを金持ちにしてくれるということです。
池本 克之
株式会社パジャ・ポス
代表取締役
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