夢にまでみた高層タワーマンションを手に入れた、世帯年収2,000万円超の“勝ち組”夫婦。しかし、高級タワマン暮らしをスタートしてからというもの、2人の生活水準は跳ね上がり家計は徐々に悪化。結果的に苦しい決断を迫られることになりました。本稿では、株式会社JKASの代表取締役・西上正通氏が、「高すぎる勉強代」を支払うことになった30代夫婦の事例を基に、住宅購入のプランニングの難しさについて解説します。

収入のほとんどが「返済と生活費」に消える絶望の日々

経済的・物質的な成功を望んでいた2人にとって、前者はありえない選択肢でした。

 

夫婦の理想を維持するために新たな収入源を探すことを選択し、新たなビジネスを模索した拓也さんでしたが、結局機会に恵まれることはありませんでした。夫妻のストレスは日に日に増大し、彼らはそれぞれの仕事での夢を追い求める代わりに、その住宅ローンの返済と生活費の支払いに、会社での稼ぎのほとんどを費やすようになりました。

 

このタワーマンションは、彼らの夢の象徴でありながら、同時に負担となってしまっていたのです。

 

そうこうしているうちに、ある日、麻衣さんの勤務先が経営難に見舞われました。麻衣さんは会社の経営を立て直すために全力を尽くしましたが、なかなか復活する見込みが立たず、次第に自分の給料もマンション購入時より低い水準に落ち込んでしまいます。

 

世帯の収入が減少したことで、2人の生活はガラリと変わることになります。タワーマンションの住宅ローン支払いに加え、管理費や修繕積立金、駐車場代の支払いを合わせた総額は、拓也さんの収入だけではカバーしきれなくなり、恒常的に赤字が発生するようになったのです。

 

最初の数ヵ月は貯金を切り崩し、支出を減らすなどの対策を取りました。しかし、次第にローンの支払いは難しくなっていきます。友人や家族からの助けを借りようともしましたが、それも現状の根本的な解決策にはなりません。

 

拓也さんは収入を増やすために副業をみつけようと奔走しましたが、なかなか望むような仕事がみつかりません。麻衣さんもスキルを活かして、フリーランスの仕事を探しましたが、安定した収入を得るのは容易ではありませんでした。

 

夢の住まいであったはずのタワーマンションは、いつしか経済的な負担という側面が強くなり、ストレスと不安に満ちた日々を過ごすことになりました。

 

銀行にも、毎月の返済を減額してもらうよう交渉を試みましたが、毎月の返済を一定期間だけ減額してもらったところで、利息などにより返済の総額は増え、将来的に大きな負担増に見舞われることは明白です。それに、減額の期間が終わって毎月の返済額が元に戻るまでに、世帯の経済状況が改善する保証はどこにもありませんでした。

 

そしてついに、2人は辛い決断を下すことに。夢の象徴であったタワーマンションを売却し、支払いのストレスから解放される道を選ぶことにしたのです。

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