満室経営を続ける「アパートオーナー」…突如、税務調査のターゲットになったワケ【税理士が解説】

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満室経営を続ける「アパートオーナー」…突如、税務調査のターゲットになったワケ【税理士が解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

事業を行っている限り、すべての人が税務調査の対象になります。賃貸経営を行う不動産投資家も調査の対象になりますが、一口にアパートオーナーといっても、税務署に「狙われやすい人」と「狙われにくい人」の傾向があるといわれています。本記事では、多賀谷会計事務所の現役税理士・CFPの宮路幸人氏が事例を基に、アパートオーナーを対象とする税務調査の実態について解説します。

「修繕費」の申告が認められず「追徴課税」…税務署の目に付きやすくなるケースとは?

アパートオーナーであるAさん。入居者が途切れることなく満室の状態を保つなど、賃貸経営は順調でした。しかし、築年数を重ね、建物や室内設備等の古くなってきたことなどから入居者募集に対する反応が鈍くなってきたように感じ、入居者が退去した際の入替のタイミングで大幅なリフォーム工事を行うことにしました。

 

通常の室内クリーニング等のリフォームのほか、入居者の利便性を高めるために、

 

① 内装の壁紙を以前よりグレードの高い壁紙に変更

 

② ブロックキッチンをシステムキッチンに入れ替え

 

③ ガス給湯器を追い炊き機能付きのものに変更

 

などを実施したのです。多額のリフォーム費用がかかりましたが、これによって入居者募集への反応は改善し、借手もすぐ見つかるようになりました。

 

Aさんはこの年、リフォーム代を通常の修繕費として申告しましたが、翌年税務署から税務調査に伺いたい旨の連絡があり、調査に応じたところ、上記のうち①と②は修繕費ではなく、その資産の耐久性を高め、価値を増加させたものであるから、資本的支出に該当すると指摘を受けました。

 

資本的支出と判断された場合、その年の費用とはならず、固定資産の取得原価に加算されます。その費用は耐用年数に応じて費用配分されることとなるため、修繕費とは認められず必要経費は圧縮され追徴税額を納付することとなりました。

 

不動産所得は、たとえば事業所得などに比べて必要経費と認められるものが限定されています。それもあって、修繕費の額が前年比で大きく増加したような場合、税務署の目に付きやすくなり、税務調査に入られやすくなる傾向があります。

 

修繕費か資本的支出かの判断については実務上判断が難しいところですが、国税庁から「修繕費と資本的支出の区分(フロー図)」が公表されているので、参考にするとよいでしょう。

実はどちらも強制!?…「2種類」の税務調査の違いとは

税務調査は大きく、任意調査と強制捜査の2種類に分かれます。

 

強制捜査は、いわゆるマルサと呼ばれる国税局査察部が担当し、裁判所の令状を得て行うので、拒否することはできません。

 

以前公開された「マルサの女」という映画のような強制捜査を行います。ただし強制捜査はよほど悪質であると判断されない限り行われることはありません。

 

もう1つは任意調査と呼ばれるもので、ほとんどの税務調査はこちらに該当します。任意と聞くと調査を拒否できるのかな? と思う人もいるかもしれませんが、基本的には任意調査も拒否することはできません。

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※本記事は、「不動産業界から『あなた』を守ります」をコンセプトに株式会社LandSitzが運営する『不動産投資の裏側を知る教科書』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。