(※写真はイメージです/PIXTA)

5ちゃんねるなどの匿名で投稿ができるインターネット掲示板は、誹謗中傷の巣窟になりがちです。このような「匿名」でなされた誹謗中傷に対して、発信者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うにはどうすればいいのでしょうか? Authense法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

開示請求にかかる期間の目安

5ちゃんねるでの誹謗中傷に対して開示請求をした場合、相手の特定までにかかる期間はおおむね4ヵ月から6ヵ月程度です。ただし、状況によってはこれ以上の期間がかかることもあります。開示請求をしたからといってすぐに開示がなされるわけではありませんので、それなりに時間がかかることを知っておきましょう。

開示請求をした「あと」の対応

開示請求は相手を知ること自体が目的ではなく、その後の法的措置が目的であることが一般的です。そのため、開示請求によって相手の住所や氏名が判明したら、次の対応をとることになるでしょう。

 

なお、これらはいずれか1つのみを行っても構いませんし、両方の措置を取っても構いません。とるべき法的措置の内容についても、それぞれ望んだ結果となる可能性の大きさやかかる期間、費用などを踏まえ、弁護士に相談のうえで検討するとよいでしょう。

 

相手に対して損害賠償請求をする

選択肢の1つ目は、相手に対して損害賠償請求をすることです。損害賠償請求とは、誹謗中傷によって被った損害を金銭で支払うよう相手に対して請求することです。

 

損害賠償請求は、まずは弁護士から書面を送るなどして、裁判外で請求することが多いでしょう。相手がこれに対して誠実に対応し請求額を支払った場合には、この時点で終結となります。支払いを受けることと併せて、今後誹謗中傷をしない旨の誓約書や示談書を取り付けます。

 

一方で、相手が請求を無視したり大きな減額を要求したりするなど、不誠実な対応をとることもあるでしょう。

 

この場合には、裁判上での損害賠償請求を行う必要があります。裁判となれば、諸般の事情を考慮のうえ、裁判所が損害賠償請求の可否や金額を決定します。誹謗中傷で認められる慰謝料は誹謗中傷の内容によって異なるものの、おおむね数万円~数十万円程度です。

 

ただし、誹謗中傷によって事業収入が減少したなど誹謗中傷による影響が大きい場合には、数百万円の慰謝料が認められる可能性もあります。また、一定程度の弁護士費用の上乗せが認められる場合もあります。

 

相手を刑事告訴する

選択肢の2つ目は、相手を刑事告訴することです。刑事告訴とは、犯罪事実を捜査機関に申告し、相手への刑罰を求める意思表示です。

 

誹謗中傷は、「名誉毀損罪」や「侮辱罪」などの刑事罰の対象となる可能性があります。ただし、これらはいずれも、被害者側からの告訴がなければ検察官は相手を起訴できない(つまり、有罪にできない)「親告罪」とされています。つまり、名誉毀損罪や侮辱罪で相手に罪を問いたいのであれば、刑事告訴をしなければなりません。

 

誹謗中傷の刑事告訴は、警察に対して告訴状を提出して行うことが一般的です。そして、本来は相手を特定しなければ告訴できないわけではないものの、実務上は、開示請求で相手を特定してから告訴することが多いでしょう。

 

告訴状が受理されると捜査が開始され、場合によっては相手が逮捕されます。その後検察に事件が送られ、検察での捜査の結果、起訴か不起訴かが決まります。起訴されると略式起訴の場合を除き刑事裁判が開始されます。

 

なお、告訴状の受理後は捜査機関に事件が委ねられることとなり、いくら被害者であっても捜査に指示を出したり逐一報告を求めたりすることはできません。また、必ずしも相手が有罪となるとは限らないという点も理解しておきましょう。

 

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