(※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。

 

●政策金利の据え置きは織り込み済み、FOMC声明とパウエル議長の発言に市場の関心が集まる。

●声明の内容に大きな変更はなく、パウエル発言は10月19日の講演での発言とほぼ同じとみられる。

●FOMCは無風通過か、米長期金利上昇懸念は残るが、米経済減速で低下に転じると思われる。

政策金利の据え置きは織り込み済み、FOMC声明とパウエル議長の発言に市場の関心が集まる

米連邦準備制度理事会(FRB)は、10月31日、11月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。今回はFOMCメンバーによる経済見通しや、メンバーが適切と考える「政策金利水準の分布図(ドットチャート)」は公表されないため、FOMC声明と、記者会見でのパウエル議長の発言に市場の関心が集まっています。以下、これらについて、主な注目点を整理します。

 

まず、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標について、弊社は5.25%~5.50%で据え置きを予想しています。直近のFF金利先物市場でも、据え置きの確率が90%を超えており、今回のFOMCにおける利上げ見送りは、ほぼ織り込み済みといえます。なお、FF金利先物市場では、政策金利は当面据え置かれ、来年6月のFOMCで25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の「利下げ」が行われるとの見方が優勢になっています。

声明の内容に大きな変更はなく、パウエル発言は10月19日の講演での発言とほぼ同じとみられる

次に、FOMC声明について、内容に大きな変更はなく、「FOMCは今後入ってくる情報と、金融政策への影響を注視し続ける」という文言も維持されるとみています。FOMC声明はFRBの政策意図を示す基本手段であるため、この文言が維持されることは、パウエル議長が繰り返し述べている、政策判断はデータ次第で会合毎に決めるとの方針に、変わりはないと解釈できます。

 

そして、パウエル議長の記者会見における発言については、10月19日にニューヨーク経済クラブで講演を行った際の発言と、おおむね同じ内容になると予想されます。19日の主な発言は図表1の通りで、インフレと労働需給ひっ迫の低下傾向を歓迎する一方、インフレ率はまだ高すぎる水準にあり、2%への回帰には労働市場のさらなる軟化が必要である可能性が高い点を指摘していました。

 

[図表1]パウエル議長の主な発言

FOMCは無風通過か、米長期金利上昇懸念は残るが、米経済減速で低下に転じると思われる

なお、このところ複数のFRB高官から、長期金利の上昇が利上げの代替になる旨の発言が相次いでおり、パウエル議長も19日に、長期国債の利回りは引き締めの重要な原動力との見解を示しています。これらを踏まえると、FRBはいったん様子見の姿勢に転じたとも思われますが、パウエル議長は19日も、データ次第では追加利上げが正当化されるとし、追加利上げの選択肢を残しました。

 

以上を踏まえると、今回のFOMCに特段サプライズはなく、無風通過となる公算が大きいとみています。弊社は引き続き、12月の追加利上げとその後の据え置き、米経済の軟着陸(ソフトランディング)を予想しています。この先、引き締めの長期化観測が強まれば、米10年国債利回りに一段の上昇圧力が生じることも見込まれますが(図表2)、米経済が減速していくことで、米10年国債利回りは緩やかな低下傾向に転じるとみています。

 

[図表2]米長期金利と市場の来年の米利下げ予想

 

 

(2023年10月23日)

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米政策金利、「据え置き」の確率90%超…「次回FOMC」の注目ポイント【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジストが解説】』を参照)。

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

 

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