(※写真はイメージです/PIXTA)

会社員であれば、毎月の給与天引きされる「社会保険料」。毎月のことだからと、その中身を隅々までチェックしている人は少ないかもしれません。本記事では、金融業界25年のキャリアを持つFP田中和紀氏による著書『FPが教える!マネーリテラシーを高める教科書』(ごきげんビジネス出版)から、社会保険によって受けられるサービスについて、解説します。

医療保険の具体的な内容を知るメリット

このように、医療保険という分野でも、医療費3割負担・上限額・傷病手当金といった、安心となるバックアップが多くの人にあります。これらを知ることで、病気やケガに対する不安はかなり少なくなるでしょう。

 

また、積極的な利用にもつながります。体調が悪いなら、自宅療養ではなく病院を積極的に使うのもよいでしょう。歯医者も含め、プロのアドバイスは利用価値が高いと思われます。

 

もちろん、3割負担といってもお金はかかりますが、長期的視野で大病を未然に防ぐ意味でも、医療は優先してよいでしょう。健康であることは稼ぎ続けるためにも必要なので、「ここに割くお金は元が取れる」と考え、7割引の医療を積極的に使うべきでしょう。

 

このような考え方になると、給与から引かれる社会保険料にも関心が向きます。社会保険料を毎年多く徴収されているのなら、それ相応のサービスという対価を得ようと、ポジティブな思考になりますよね。

介護保険によって「1割負担」でサービスが受けられる時代

次に、介護保険についてです。これは介護が必要になったときに受けられるサービスです。昔は、介護状態となっても家族が面倒を見ていたのですが、現在は少子高齢化などで家族の負担が大きくなり、またひとり暮らしや老老介護なども増え、家族でのカバーも難しくなってきました。

 

※老老介護:65歳以上の高齢者を、同じく65歳以上の高齢者が介護すること。

 

よって、介護サービスを受けられる制度が整いました。介護状態になれば、食事や家事の介護、老人施設の利用が可能になります。これも1割負担でサービスが受けられるので、9割引になるのです。

 

私も地方に住んでいる両親が高齢となり、病気などで介護が必要となりました。別々に暮らしていて、しかも遠方となれば、親の介護も難しくなります。仮に私が仕事を辞め、同居すれば稼ぎが少なくなり、共倒れとなります。

 

今の時代は、介護の負担を軽くするため、こうした制度があるのです。介護をこの制度にたくし、家族はフォローする時代です。積極的に利用すべきでしょう。

 

こういったサービスのために、社会保険料である介護保険料を支払っているのです。最初は親の介護、次に自分の介護を社会保険で補ってくれます。「社会保険さまさま」です。

 

社会保険料という支出はサービスの対価です。そのサービスを知らないと活用できず、安心もできません。たとえ利用しなくても、今後の不安は減ります。ぜひ知っておきましょう。

 

 

田中 和紀

ファイナンシャルプランナー

 

※本記事は『FPが教える!マネーリテラシーを高める教科書』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

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