(※写真はイメージです/PIXTA)

長年連れ添った夫婦であれば、残された側の喪失感は計り知れません。一人残されたあとの最期をどうするか……。本記事では、合同会社エミタメの代表を務めるFP三原由紀氏が、孤独への不安から「老人ホーム」への入居を娘に勧められたAさん(84歳)の事例とともに、老人ホーム入居の注意点について解説します。

お母さんには最期まで幸せに暮らしてほしい!

一方、Aさんの娘は、母であるAさんのことを心配しながらも、日々の雑事に忙殺され、サポートできていない自分に悶々としていました。葬儀後は毎週実家に足を運びAさんを励ましていましたが、諸々の手続きが終わると徐々に足も遠のいてしまっていたからです。

 

久しぶりに実家を訪れ、5キロほど痩せて小さくなった母の姿を見て愕然としました。

 

「このまま一人にはしておけない、これまで父に尽くしてきた分も母には最期まで幸せに暮らして欲しい……」と老人ホームへの入居を強く勧めました。

 

というのもAさんは要介護1で週2回ほど居宅介護サービスを利用しており、このことも不安の種になっていたのです。いまのところ日々の生活に支障はないものの、娘としては介護付きのホームへ入居してもらえれば安心です。

 

また、遺族年金の手続き、相続税の申告について顧問税理士とのやり取りを任されていたので、Aさんのお財布事情は娘が把握していました。

 

<Aさんの資産状況と年金額>

貯金:5,000万円

自宅マンション:3LDK(80平米、築24年、資産価値1億円ほど)

年金受給額:約265万円(月額約22万円)

遺族厚生年金:約200万円

Aさん自身の老齢年金:約65万円

 

ケアマネージャー経由で老人ホームの紹介業者につながることができ、よさそうなホームが見つかりました。

 

<施設にかかる費用>

入居一時金:3,700万円

月額利用料:34万2,000円(管理費、上乗せ介護費、食費含む)

そのほか:医療費などの実費(年間40万円ほどを想定)

年間費用の見込額:約450万(約月37.5万円)

 

予算より高めでしたが、娘としては母の生活レベルに合うことを最優先にしました。実家のマンションを賃貸に出せば老人ホームの固定費を賄うには充分と算段をつけていたからです。賃料相場をネットで調べてみると月40万円ほどで貸せそうでした。

 

なんとか介護付き老人ホームへの入居を果たすも…

懸命に動いてくれる娘の想いを汲み取り、Aさんは体験宿泊をしたうえで入居を決めました。

 

ところが、想定外になかなかマンションの借り手が見つかりません。賃料が入ってこなければ、老人ホームの入居費は預貯金から切り崩すしかありません。Aさんには内緒にしていましたが娘は大慌てです。

 

 

 

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