(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後2,000万円問題」など、老後のお金について不安を持つ人は多いことでしょう。しかし、老後のお金の問題は夫婦だけの問題ではないことも。大人になって自分で独立すると思っていた子供が、社会から孤立し収入もなく「引きこもり」となってしまったら……。本記事では、木下さん(仮名)の事例とともに、引きこもりの子供を抱える高齢親の実態について、FPの小川洋平氏が解説します。

まずは息子の自立支援が最優先…資産運用もおすすめ

木下さんが抱える不安の解決には、当然のことながら浩志さんの自立が課題です。自分達の老後だけでなく、浩志さんが引きこもりニートのままでは親としては不安でしょう。根本的な不安を解消するためには、浩志さんが自分が生活できる程度でも収入を得られ、自立することが必要です。そのためには、早期に専門家やカウンセラーの協力を得て、浩志さんの自立を支援することが必要でしょう。

 

同時にいますぐできることは、まず家計を見える化し、減らせる支出を減らす方法を検討してみること、そして現在の資産を整理し、預貯金で持っている部分を一部運用に回すことで資産の減少を抑えてみてもいいでしょう。

 

仮に4,000万円を平均3%で運用していれば、その利益だけで毎年平均100万円程度を得ることができ、資産を減らさずに公的年金の不足分を補うことも可能です。自分達の介護資金も確保でき、浩志さんにも残せるお金が増えれば、将来の生活の安心材料となることでしょう。

 

浩志さんの自立を支援しつつ、家計の見直しといまある資産の運用を検討し、今後の資金計画を立てることで不安を解消しながら浩志さんの自立を支援することができるでしょう。

いまから子供の将来のためにできること

今回は木下さんのケースをお伝えしましたが、お伝えしたように同様の問題を抱える家庭は決して少なくはありません。「子供に迷惑をかけないように」と思う方も多く、自分達の老後の生活資金を用意されている方も多いでしょう。

 

しかし、木下さんのようにお子さんが引きこもりの無職になり、自分達の生活だけでなく子供の将来の心配もしなければならないようなケースもあります。最大の不安は子供の将来についてでしょうが、まずは現状を冷静に分析し、問題の解決に向けてなにをすべきなのかを冷静に分析し、戦略を立てることが必要です。

 

可能であれば子供と一緒に家計の現状について数字を見せながら、問題を共有し解決に向けての戦略を一緒に考えることもいいでしょう。家計の現状、子供が自立できない理由、いずれも問題点を1つひとつ冷静に分析し、深堀りし、問題点の詳細を言語化、数値化したうえで解決策を考えることで解決への一歩を踏み出すこともできます。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

 

 

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