(※写真はイメージです/PIXTA)

マクドナルドのハンバーガーからガリガリ君まで、昨今の日本は物価高の大波に襲われ、まさに猫も杓子も値上がりの時代が到来です。日本政府は「緊急支援金」と銘打ち、貧困世帯に向けて5万円の給付を2022年に実施しましたが、2023年3月には追加策として、新たに予算5,000億円(事業者向け給付金と合わせると1兆2,000億円)を投入し3万円の給付を実施しています。

国民の悲鳴に応える施策が講じられていますが、実際に日本ではどれくらい貧困に陥っている人がいるのでしょうか。また、政府調査によるデータと現実にギャップはあるのでしょうか。

日本の相対的貧困率は約40年前から緩やかに上昇

実は日本の相対的貧困率については、約40年前から緩やかに上昇をつづけています。下記をご覧ください。

 

【図表2】世帯構造別 相対的貧困率の推移(厚生労働省)

 

1985年に12%だった相対的貧困率が、2015年には15.7%に上昇しています。OECDが公表する2021年における世界の貧困率調査によると、先進国の相対的貧困率ランキングで日本は1位という不名誉な結果が出ています。つづいて2位は韓国、3位はアメリカです。

 

主な原因として国民の少子高齢化、単身世帯やひとり親家庭の増加、都市部から離れた郡部・町村居住者が多いことが挙げられます。

 

では相対的貧困率が高いということは、日本の格差社会が進んでいるということでしょうか? たとえ相対的貧困率が高くても、国民の所得分布が貧困ラインに集中している場合格差が大きいとは言えません。格差社会を表す数値は別にあります。

 

それがジニ係数です。ジニ係数とは、所得が完全に平等に分配されている状態に対して、どれだけ分配が偏っているかを数値で示したものです。完全に平等に分配されている状態を0とし、完全な不平等、つまり1人の人が世の中の所得を独占し、その他の人々が0の状態が1になります。

 

下記の図はジニ係数の推移を示したものです。

 

各種統計によるジニ係数の推移(内閣府)
【図表3】各種統計によるジニ係数の推移(内閣府)

 

80年代移行、緩やかに上昇しているのが分かります。すなわち日本は貧困層の増加に加えて、所得格差が拡大していると言えます。

まとめ

貧困は一度陥ると、その日1日を過ごすことに精一杯になるため中長期的な目標が立てづらく、脱するのが難しい傾向にあります。できることは何でしょうか。たとえば、冒頭で紹介した政府の給付金は自ら申請しなければ受け取ることができません。自身が対象となる支援やサービスを見逃さないよう、情報のアンテナを張ることは重要です。また、所得を増やすために資格の取得や正規雇用への転職に向けてコツコツ準備をしたり、それらを支援してくれる支援団体はないか探すことも大切です。国民全員が互いに関心をもち合い、改善意識をもちましょう。

 

 

THE GOLD ONLINE編集部

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