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財産を生前贈与してかかる贈与税は、贈与の方法を工夫すれば贈与税が安くなる場合があります。財産を贈与された人が払う税金が安くなれば、活用できる財産が増えるので、生前贈与をする際には節税について十分に検討しておきたいところです。本稿では、税理士法人ブライト相続の天満亮氏監修のもと、生前贈与の手続きの流れや税金を安くする方法、不動産や現預金、株式を生前贈与するときの注意点について解説します。

2.贈与契約書を作成する

贈与は法律上、贈与者と受贈者が口頭で合意しただけでも成立します。しかし口頭で確認しただけだと、後々に認識相違が生じても贈与契約の内容を確認できずトラブルになることがあるので、贈与契約書は必ず作成するようにしてください。

 

贈与契約書では「誰が・誰に・いつ・なにを・どのような方法で」贈与するのか、明確に記載することがポイントです。

 

現預金の贈与であれば、上記のひな形のように贈与額を記載すれば問題ありませんが、土地を贈与した場合には「甲が乙に土地を贈与する」とだけ記載すると、どこにある土地を贈与するのかわからず、契約書として意味をなしません。

 

一般的に土地であれば所在地・地番・地目・地積を、建物であれば所在地・家屋番号・種類・構造・床面積を贈与契約書に記載するので、贈与対象の不動産の登記事項証明書をあらかじめ取得しておきましょう。捺印では実印を使い、2通作成して贈与者・受贈者それぞれで1通ずつ保管します。

 

3.財産の引き渡しや名義変更の手続きを行う

現金の贈与は手渡しではなく銀行振込で行います。現金を手渡しで贈与すると履歴が残らず、後々に相手から「まだ受け取っていない」と言われてトラブルになる可能性や使途不明金として税務署から疑いをかけられる可能性があるからです。

 

土地や建物など不動産の生前贈与では名義変更の手続きが必要になるので、不動産の所在地を管轄する法務局で登記を行います。手続きの方法がよくわからない場合は司法書士に依頼してもよいでしょう。

 

4.贈与税の申告・納税を行う

生前贈与では、以下の式で計算した額の贈与税がかかります。

 

(1年間に贈与された財産額-110万円)×税率-控除額

 

贈与額が年110万円以下であれば贈与税はかからず申告・納税の手続きは不要ですが、逆に贈与税がかかる場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告・納税の手続きが必要です。

 

贈与税の申告書は国税庁サイトからダウンロードでき、受贈者の住所地を管轄する税務署に申告書を提出します。納期限に遅れると罰金を科されてしまうので、贈与税の申告や納税の方法がよくわからない場合は税理士に相談するようにしてください。

現預金を生前贈与するときの手続き方法と注意点

現預金は土地や建物、株式などと違い、金額の調整がしやすく名義変更が不要で手続き面で楽なので、生前贈与をする際の財産として選ばれることが多い財産のひとつです。

 

ただし、現預金の生前贈与では気を付けるべき点がいくつかあります。生前贈与の方法を間違えると税金が高くなる場合があるので注意が必要です。

 

1.生前贈与が否認されないように現金手渡しではなく「銀行振込」にする

生前贈与によって遺産額を減らして相続税を節税したつもりでも、税務署によって生前贈与が否認されてしまうと、贈与された人の財産ではなく亡くなった人の財産と見なされてしまい、相続税の課税対象になる場合があります。

 

相続が起きたときに生前贈与が否認されないためには、財産を贈与した履歴を残しておくことが大切です。贈与契約書を作成するとともに、現金手渡しではなく銀行振込にすることで振込履歴を残すようにしましょう。

 

2.名義預金と見なされないように贈与財産は受贈者が管理する

子や孫の名義で預金口座を作って自分のお金を振り込んだ場合、子や孫への贈与が成立して将来の相続財産が減るのかというと、そうではありません。そもそも贈与が成立するためには、財産が受贈者の物となって受贈者が管理・使用できる状態にある必要があります。

 

預金口座の名義がその人になっているだけで、実際には別の人が預金を管理している「名義預金」であれば、受贈者が財産を贈与されて管理しているとは言えず、贈与自体が成立していません。

 

名義預金と見なされると、相続が発生したときに故人の財産として相続税の課税対象になってしまいます。贈与した財産が贈与者ではなく受贈者の物であることがわかるように、受贈者が贈与財産を管理することが大切です。

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