(※写真はイメージです/PIXTA)

中古建物を売却しようとすると、日本では評価額が低く見積もられがちな傾向があります。しかし、建物が高品質であることを証明すれば、高値がつくこともあります。親から相続した築40年の実家を売却した経験のあるフリーライターの永峰英太郎氏が著書『親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!』(自由国民社)から解説します。

2. 瑕疵保険

新築の物件は、ハウスメーカーや施工会社が10年間の瑕疵担保保証を付けることが義務化されています。また中古の建物でも、売り主が不動産仲介業者の場合、2年間の保証が付きます。

 

保険の内容は、もしその期間中に瑕疵(欠陥)が判明した場合、売り主が責任を負うことになるというものです。

 

しかしながら、中古住宅で売り主が個人の場合、この保険を付けるかどうかは、当事者間で決めることになります。現状では「瑕疵担保免責」(保証なし)が大半です。

 

既存住宅売買瑕疵保険に加入する

たとえば、親から引き継いだ家などは、建築年数がかなり経過していることがあります。そういう場合、保証なしでは、買い主は不安を覚えるものです。そこで活用したいのが「既存住宅売買瑕疵保険」です。

 

この保険に加入すれば、販売後に瑕疵が見つかると、1,000万円までの補修費用が最長5年間保証されます。

 

瑕疵保険に加入するには、専門の検査機関に検査をしてもらうことが必要です。補修すべき箇所があったら補修をする必要があります。

 

【瑕疵保険の詳細】

・申し込み先:国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」に申し込みます。「一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会」のホームページで検索できます。

・実施方法:まずは検査を実施して、建物の状況を調べます。所要時間は1~2時間。数日後、検査結果が送られ、瑕疵保険に加入OKかが決まります。

・チェック箇所:「基礎のひび割れや欠損の状況」「外壁の防水措置の状況」「屋根裏の状況」等。

・費用:保険料は4~8万円程度。

 

3.住宅履歴情報

住宅履歴とは、住宅の設計、性能、施工、維持管理、メンテナンスに関する情報のことです。

 

これらを明らかにしておけば、「いつ、誰が、どのように設計・施工したか」「どんな修繕、改修・リフォームを行ったか」など、住宅の素性を知ることができます。

 

住宅履歴は、クルマでいえば「車検証」や「整備記録」のようなものです。整備記録がなければ、中古のクルマは買わないですよね。

 

しかしながら、クルマよりも高い住宅については、こうした履歴情報の告知が徹底されていないのです。現状では「長期優良住宅」の認定を受けた住宅は、住宅履歴の保存が義務づけられていますが、それ以外の住宅は、なくてもOKなのです。

 

逆に言えば、住宅履歴情報があれば、中古物件の信頼度はグッとアップするわけです。

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親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!

親の家を売る。──維持から売却まで、この1冊で大丈夫!

永峰 英太郎(著)・高橋 正典(監修)

自由国民社

◆「予備知識なし」は危険! 本書でしっかり知識を得てから取り組みましょう。 ◇予備知識なしで、親の家の維持や売却に挑むと、 相当な苦労や失敗をします。 また、税金や家の売却金額で損をするリスクも高まります。 …

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