(※写真はイメージです/PIXTA)

東京近郊のマンションに妻と娘と暮らす、年収840万円のAさん。資産家の父が亡くなり、父が経営していたアパートの土地と建物を相続しました。「家賃収入を自宅の住宅ローン返済に当てられる」と容易に考えていたAさんですが、不動産仲介業者の話を聞いていくと、ローンに充てるどころか自らが破産の危機に陥っていることに気づいたのでした。牧野FP事務所の牧野CFPが、Aさんの破産危機の原因と相続時のポイントについて解説します。

相続したのは「築古アパート」…経営を続けるには”投資“が必須

Aさんが父から相続したアパートは、父が約40年前に建てた、木造2階建て・全10室の築古物件です。現在、高齢の夫婦や単身者が6室入居していて、あとの4室は空室となっています。さらにこのアパートは、新築だとしても家賃によってはすぐに入居者が決まらないような、賃貸物件が密集する「供給過剰地域」に建っています。

 

そのため、手っ取り早く入居者を探して空室を埋めるには、

 

・家賃を下げる
・畳をフローリングにするなど、部屋のリノベーションを行う
・大家負担で、各部屋にケーブルテレビ回線を設置する
・アパートの管理を、Cさんが所属する会社の系列の管理会社に依頼する

 

といった対策が必要だと、Aさんは不動産仲介業者のCさんに言われたそうです。どれもまとまったお金が必要な話ばかりです。

 

たしかに、Aさんのアパート近辺をネットで検索すると、空室が豊富にあります。また、別の業者を複数訪ねても、皆Cさんと同じようなことを言います。

 

Aさんの父は、アパートも母が相続した駐車場も、ともに母を青色専従者として父が給与を支払う青色申告で記帳していました。また、定期的な清掃や入居者の管理も両親がしており、管理会社に委託する考えはなかったようです。

※ 詳細は国税庁HP「青色申告制度」を参照のこと。

 

Cさんが言うように、築古アパートでも経営を続けるにはそれなりに投資が必要です。Aさんも理解はできるものの、いまひとつ割り切れない様子。

 

アパート経営に必要な費用を家賃収入で補うことができれば、Aさんの家計を圧迫することはありません。しかし、今後必要になってくるアパートの固定資産税や所得税、それにCさんが提案してくれた家賃値下げやリノベーションをはじめとした対策費用のことを考えると、家賃収入を住宅ローンの返済に回すどころか、アパート経営を続けるほど貯蓄を食いつぶし、家計は破産しかねないことがわかりました

 

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