(※写真はイメージです/PIXTA)

甘い恋愛の末、永遠の愛を誓い、婚約──。ところがその後、フィアンセの不貞が発覚し、破断に。裏切った婚約者に対してはもちろん、不貞相手に対してはどこまでの賠償金を請求できるのでしょうか。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、婚約破棄における損害賠償請求について、河井浩志弁護士に解説していただきました。

婚約後にママ活発覚で婚約破棄。Wで慰謝料請求したい

相談者のsyyさん(男性・仮名)は、婚約者の不貞が発覚し、婚約を破棄しました。婚約者の女性が、大学の後輩である19歳男性(以下、男性Aとします。)と「ママ活」をしていたのです。syyさんは婚約者と昨年夏に婚約をし、指輪の交換も済ませていました。

 

婚約者が男性Aと知り合ったのは今年1月。Twitterで大学の後輩として知り合い、その後、婚約者からDMで1万円を対価に食事へ誘い、男性Aがそれに応じる形で2人で会ったのです。

 

その後、男性Aがsyyさんの婚約者からLINEを聞き出す形で、2人は関係をスタート。最初の食事から約1ヵ月後にはビジネスホテルで2万円を対価に密会しています。

 

ここまでの行動については、DMとLINEの証拠があります。

 

2人の関係性について、婚約者がいうには「性的関係を持ったが、挿入は行っていない」とのこと。また、男性Aは婚約者が婚約中であることを知っていました。

 

なお、2人の関係はその後、婚約者が男性Aにストーカーに近い行為をしたことにより、警察沙汰になり、既に精算されています。


それらを踏まえ、相談者のsyyさんは、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)婚約者に対し、100万円の慰謝料請求(100万円)をしている。Aに対しても、民法709条により慰謝料請求できるのか? 可能であれば、その相場も知りたい。

 

(2)2人の関係はすでに清算されているが、それでも慰謝料請求は可能か。

婚約者の不貞相手に対しても慰謝料を請求できる

婚約中に婚約者が第三者と不貞行為を行い、それが原因で婚約破棄に至った場合には、婚約者に対して婚約破棄の慰謝料として損害賠償請求ができます。

 

そして、婚約者と不貞行為を行った第三者についても、婚約者が婚約していたことを知っていた場合には、第三者に対しても慰謝料として損害賠償請求ができます。

 

なお、本件では「性的関係を持ったが、挿入は行っていない」と主張しているが、金銭を支払ってビジネスホテルで男女2人が密会している以上、不貞行為を行っていたことが推認されます。仮に、挿入行為を行っていないとしても、性交類似行為に該当し、性的肉体関係があるといえるので、慰謝料請求の対象となる「不貞行為」に該当します。

 

損害賠償請求については、過去の不貞行為を原因としているため、現在婚約者と第三者の関係が清算されていたとしても、請求権に影響はありません。

 

不貞行為を原因とする婚約破棄の慰謝料の相場は数十万円~150万円程度と言われています。婚姻関係にある場合の不貞慰謝料の相場が数十万円~300万円程度と言われているのと比べると、低額となっています。

次ページそして今回の「慰謝料相場」は──

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