(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者や個人事業主、一定以上の給与をもらうサラリーマンのなかには、所得を増やす努力と同時に「節税」に力を入れている人も多いでしょう。しかし、誤った対策により「脱税」と判断され、節税のつもりが「多額の追徴課税」を受けてしまう人も少なくないと、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏はいいます。今回、多くの人が勘違いしている「誤った節税」について、黒滝氏が解説します。

やりがちな「無申告」による脱税もハイリスク

3.不透明な利益移転

黒「『不透明な利益移転』とは、代表者が複数の会社を持っている場合に、そのなかで不自然な受発注をして利益を移転するような事例です。同じ会社間の受発注であっても、一般的な相場とかけ離れた価格でのやり取りは違法です」

 

――身内の会社と、なあなあなやり取りをしてはいけないということですね。

 

黒「はい。むしろ、同じ会社間の受発注は価格に合理性がないとみなされることがあるため、第三者からも見積もりをとったり、成果物の証拠を残すなどの対応が必要です」

 

4.高額すぎる退職金

黒「退職金においては、節税しようと不自然に高額な退職金を設定すると税務調査で否認されます」

 

――実際に、退職金が高額だったために否認されたケースはありますか?

 

黒「形式上ありうるのは、株価対策のために退職金をドンと払って会社の利益を圧縮させ、株価を下げるといったケースです。きちんと規定を定め、『功績倍率法』などで計算した適正な金額にする必要があります。

 

また、代表者が退職後も実質的に経営上主要な地位を占めている場合も、“名目的な退職”とみなされ、退職金は否認されるため注意が必要です。この場合、代表者に対する賞与と認定され、課税対象となります」

 

5.無申告

黒「してはいけない税金対策のなかでもっともシンプルでやりがちなのが、税金を申告しないこと。つまり『無申告』です」

 

――無申告だとどうなってしまうのでしょうか。

 

黒「税務調査は、申告した内容に虚偽やミスがないかを確認する目的で実施されることが多いため、『申告自体をしていなければ税務調査は来ないだろう』と考える人がいるかもしれません。

 

しかし、収入を得た取引先や顧客が申告をしていたり、税務調査を受けたりした場合、そこから無申告がバレることがあります」

 

――結構、バレるんですか?

 

黒「バレます。芸能人の脱税に関するニュースもときどき取り上げられていますよね。いったんは納税せずに済むかもしれませんが、発覚すれば納税額にプラスして延滞税や無申告加算税が課税されますし、社会的な制裁もあります」

 

――知らなかったでは済まないということですね。明らかに悪意のある行為をしないというのはもちろんですが、節税のつもりで“うっかり脱税”をしてしまわないよう気をつけましょう。

 

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※本記事は、YouTube『社長の資産防衛チャンネル【税理士&経営者】』より動画を一部抜粋・再編集したものです。

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