(※写真はイメージです/PIXTA)

どうしても志望する大学に受かりたければ、例年の水準や最低点を考慮した上で、河合塾の偏差値を参考に、受験する学部を選別する方法があります。9浪して27歳で早稲田大学に合格した濱井正吾氏が著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

社会人には社会人の戦い方がある

■社会人になってから文系での再受験を考えている方へ

 

一回社会に出てから再受験を考えている人も一定数いるでしょう。私も社会人を2年6ヶ月経験しており、それから会社を辞めて早稲田大学の教育学部国語国文学科に入っていることからこの枠組みに当てはまります。

 

でも、社会人になってから再受験をする人はその多くが医学部志望。医学部以外も理系学部が多く、文系、ましてや私のように人文系の学部・学科への再入学はほとんど聞きません。

 

理由としては、将来が保証されないからということが大きいでしょう。大学に入り直しても文系でこの先大丈夫なのか、という不安は大勢の方が持っておられるはずです。

 

通常、文系の大学生は大学の力を借りずに自分の力で就活をします。就職情報サイトに登録したり、会社のサイトから直接応募したりして、インターンや選考に参加し、筆記試験や面接を経て内定にまで至るわけです。ほとんどの方がこうした日本型の新卒一括採用の仕組みを利用するわけですね。

 

ただこの就活のやり方は大きな難点があります。業界にもよりますが、大卒者を対象にした文系型就活は、だいたい30歳が企業にエントリーシートを出せるデッドラインになります。

 

その理由として単純に企業に貢献できる年数が少なくなるからと考えていいでしょう。実力勝負のIT業界や海外企業では年齢制限は緩和されてきていますが、終身雇用・年功序列の仕組みがまだ色濃く残っている日系大手企業ではまだまだこの考え方が一般的です。

 

でも、社会人には社会人の戦い方があります。文系で大学に入り直しても就職はできますよ。高齢での文系就活法を3つほどお伝えします。

 

1つ目は、公務員(教員含む)になることです。自治体にもよりますが、一般的な企業よりも年齢制限の融通がきくことから、大学に行って資格を取ってしまうのが合理的です。

 

私も元々教員を視野に入れて大学に入っているので、教員免許を取得しましたし、教員採用試験も受験して一次試験を突破しました(二次は会場にて辞退を申し出ました)。

 

一番現実的なのがこの選択だと思います。

 

2つ目は、社会人経験者でありながら、企業の新卒採用のページにあるエントリーシートに職歴を全部正直に書き込んで提出することです。私も大学3〜4年生のとき、年齢不問のIT企業を探してはこうした就活を実際にしていました。

 

面接の際に人事担当者の方に話を聞くと「どこの企業にも染まっていないまっさらな状態の学生を雇って企業のカルチャーを浸透させたい」という会社もあります。これも当然のことです。新卒後初めて入る会社が自分ののちの人生の基盤になるとはよく言ったもので、私の根底は教育者でもYouTuberでも執筆者でもなく、営業マンであると言えます。

 

とはいえ、逆に社会人経験をしていることを面白がって選考を進めてくれたところもあるので、エントリーシートで切られる可能性は高くなりますが、面接まで進んだら年齢や社会人経験は関係なく、むしろ長所となることもあると言えそうです。めげずに自信を持ってエントリーシートを出し続けましょう。

 

3つ目は、ネットでインフルエンサーを目指すことです。常に炎上のリスクと戦わなければならない一番リスキーな選択肢ですが、学生にない視点、歳を重ねてから学ぶ人の意見はまだまだ情報が少なく武器になりますし、すでに一般企業で社会性も身につけているために実は勇気さえあればコスパは悪くないかもしれないと思います。

 

きっと根気強く戦略を練っての発信を続けていけば、Twitterであれば、企業に評価していただける基準であるフォロワー1000人を超えることも難しくはないと思います(どの業種でも、フォロワー1000人以上の学生を優遇する企業は増えてきていると聞きます)。

 

私は2年生の春から本格的にTwitter運用を始めましたが、2年間大人の視点や浪人あるある、9浪ネタ、自虐ネタなどを続けて4年生になる頃には8000人程度のフォロワーがいました。その甲斐あって、ネット越しに複数企業から「うちに来ませんか?」というお声がけをいただきました。

 

炎上せずに情報を拡散させることは大変ですが、社会人経験者は普通の学生より武器が多いので、これからの時代を考慮しても有利になると思います。人生を懸ける覚悟がある方はやってみてもいいかもしれません。

 

いろんな選択肢を提示させていただきましたが、やりたいこと、学びたいことがあって入るのであれば最終的にはうまくいくとは思っています。

 

多浪界にまつわる名言として「年を取れば取るほど国語力は上がる」というものがあります。10代ではイメージしづらかった評論や古典の世界は、社会での経験を加えることで解像度が上がり、落とし込みやすくなります。一般的に記憶力が低下して不利だと思われがちな我々の世代にも実は、こうして10代にはないアドバンテージがあるのですね。

 

最後に財政破綻寸前の米沢藩を救った名君・上杉鷹山の言葉をお伝えしてこの項目を締めくくります。

 

<為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり>

 

たとえできそうにないことでも、強い意志を持ってやれば、きっと結果が出るでしょう。皆様の挑戦が実ることを陰ながら祈っております。

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本連載は濱井正吾氏の著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

浪人回避大全

浪人回避大全

濱井 正吾

日本能率協会マネジメントセンター

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