「65歳~74歳」は20年前と比べ5~10年若返っている!ベテラン野球選手に学ぶ高齢期の働き方

「65歳~74歳」は20年前と比べ5~10年若返っている!ベテラン野球選手に学ぶ高齢期の働き方
(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、老後資金をどうするかは重要な問題です。老後資金問題の専門家である第一生命経済研究所主席研究員の谷内陽一氏は、著書『WPP シン・年金受給戦略』(中央経済社)において、老後資金を途切れさせることなく生活していくための「先発」「中継ぎ」「抑え」の「WPP(継投型)モデル」を提唱しています。本記事ではそのうち「先発」にあたる「就労延長(Work Longer)」について解説します。

ベテラン野球選手に学ぶ高齢期の働き方

「働けるうちはなるべく長く働こう」と主張すると、「働き口なんてそんな簡単には見つからない!」「死ぬまで働かせる気か!」さらには「公的年金の破綻をごまかす政府の陰謀だ!」といった批判を浴びます。また、働きたくても事情があって働けない方や、働くこと自体に苦痛を感じる方もいるので、正面きって主張しづらい面もあります。

 

しかし、これらの批判は、「高齢期も現役期(40~50代)と同じ働き方をしなければならない」との思い込みや誤解が背景にあります。就労延長といっても、現役期と同じような働き方を高齢期もする必要はありませんし、そもそも出来ません。

 

これは、プロ野球の世界もまた同様です。往年の名選手たちをみても、最晩年までキャリアハイの成績を残した選手は皆無で、やはり加齢とともに成績が落ち込む傾向にあります。そのため、ベテランの野球選手を起用する際は、(1)フルタイムからパートタイムへの変更(試合の後半で途中交代、間隔を空けながら出場etc)、(2)職務・役割の縮小(先発からリリーフへの転向、守備位置の変更(コンバート)、指名打者、代打の切り札etc)、(3)兼業・副業(コーチを兼任)などの方策がとられますが、これは、高齢者の働き方にも通じるものがあります。

 

先発投手(就労延長)が登板しないとなると、そのしわ寄せは中継ぎ陣(私的年金等)と抑え(公的年金)に及びます。就労延長の本質は、「死ぬまで働く」ことではなく、「少しだけ現役期間を延長する」ことですし、高齢期は現役期と同じような働き方をする必要はなく、個々人がそれぞれ自分のペースで働けばよいのです。

 

 

谷内 陽一

第一生命保険株式会社・第一生命経済研究所

主席研究員

 

WPP シン・年金受給戦略

WPP シン・年金受給戦略

谷内 陽一

中央経済社

「公的年金の受取りを何歳まで繰り下げる?」人生100年時代の老後生活設計の新理論WPP(Work longer:就労延長、Private pensions:私的年金等、Public pensions:公的年金)を詳解。

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