(※写真はイメージです/PIXTA)

「死」と距離が生まれてしまった現代では、自分の死について考える機会がめっきりと減ってしまいました。ですが、死は誰にでも確実に訪れます。50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者、高齢者専門の精神科医である和田秀樹氏が、35年以上の高齢者診療で辿り着いた「極上の死に方」について、新刊『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)より解説します。

一人平均約600万円、夫婦二人で1200万円。

先日、経済ジャーナリストの荻原博子さんと対談したのですが、萩原さんは、「実際に介護を経験した人がかかった費用は、一人で平均約600万円。夫婦二人で1200万円。医療は高額療養費制度があるからそれほどかからない。

 

200万円もあれば大丈夫。あわせて1400万円、そこにお墓代100万円を足したとしても1500万円。それぐらい貯めて後は全部使ったっていい」とおっしゃっていました。

 

そもそも論として、老後の蓄えというのは本来、老後使い切るための蓄えです。それなのに、年金額のなかで生活しなくてはいけないと思い込んでいる人が多すぎる。何歳まで生きるかわからないからとやたら心配して、死ぬまで金を貯め続けるなんてバカげたことはありません。

 

つまり、お金に対しての考え方をどう変えてほしいかというと、お金を持っていることより使うことのほうに価値がある、ということです。

 

むしろ、体が動いて頭もしっかりしているうちに、せっかく貯めたお金を使っておかないと、人生を楽しめないし、心も体も老化が進むばかりです。知らない土地を旅したり、普段行かないレストランでめずらしい料理を食べたりすると、前頭葉が活性化されて若返ります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

前頭葉というのは新奇なことを行なうときに働くものなのです。健康やアンチエイジングにお金を使い、おしゃれをしていろんなところに出かければ、幸福感も高まります。

 

さらに、孫や子どもとの思い出づくりにお金を使えば、それだけ家族たちから大切にされるはずです。

本連載は、和田 秀樹氏の著書『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)から一部を抜粋し、再構成したものです。

どうせ死ぬんだから

どうせ死ぬんだから

和田 秀樹

SBクリエイティブ

50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者が35年以上の高齢者診療で辿り着いた死生観「どうせ死ぬんだから」。食生活や財産、医療との付き合い、死後のことまで、逝き方上手な高齢者から得た具体的な提案が満載。自分の死に…

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