(※画像はイメージです/PIXTA)

家計を直撃する「値上げ」に、私たちはどう対処すればよいのでしょうか。手取り20万円・38歳食品メーカー勤務の男性の家計を例に、2023年も続くと予想される、値上げラッシュに負けない資産形成術を1級ファイナンシャル・プランニング技能士の川淵ゆかり氏が解説します。

「長期投資」×「複利運用」で雪だるま式に増やす!

(※画像はイメージです/PIXTA)
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資産作りでまず重要なのが、複利運用です。利息の計算方法は、「単利」と「複利」の2種類がありますが、単利は元本部分にしか利息が付かないのに対し、複利は付いた利息を元本に組み入れて利息を生み出す方法です。こうすることで利息が出るたびに元本が増えていきます。つまり、雪だるま式に増やすことができるのです。しかし、金利が低かったり、期間が短かったりすると、複利の恩恵が受けられるとは限りませんのでご注意ください。

 

出所:筆者作成
[図表3]600万円を年2%と3%で複利運用した結果 出所:筆者作成

 

30歳なら30年以上、40歳でも20年以上、資産を増やせるチャンスがあります。複利計算というと難しそうですが、計算が苦手な方にも簡単にできる方法がありますので、紹介していきます。

 

「72の法則」を使って複利計算をする

「72の法則」というものがあります。資産を2倍に増やすために必要な金利や期間を求めることができます。

 

金利(%)×期間(年)=72

 

こちらの計算式で算出します。 例えば、まとまったお金を年2%で運用していくなら2倍にするのに36年かかる、3%で運用していくなら24年かかる、というものです。今の一般的な定期預金の金利は0.002%ですから、2倍にするためには36,000年かかることがわかりますよね。

 

この計算式はインフレ計算でも使えます。毎年2%ずつ値上げや増税で家計支出が増え続けると、36年後には2倍、3%だと24年後に2倍の生活費が必要、となるわけです。あなたの老後は問題ありませんか? 72の法則を使って確認してみましょう。

まとまったお金がないときは「長期積立」で資産作り

(※画像はイメージです/PIXTA)
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まとまったお金を運用することで、インフレ率に負けない運用率で資産を増やし続けることができれば良いのですが、まとまった資金が手元にない方もいます。そんな方は、Aさんの教育資金作りのように毎月の積立投資で増やし続けていきましょう。

 

なお、今年は景気後退により、昨年に引き続き株価の下落が予想されます。株価が下落すると、投資に不安になって積立てを止めてしまう方も少なくありませんが、毎月定額での購入は「安いときに多く買える」チャンスであり、将来、株価が上がったときに大きく増やすことも可能となります(これを「ドルコスト平均法」といいます)。

 

まとまったお金を一時に投資してしまうよりも、投資の時期を分けて運用することは「時間を分散」することになり、これも分散投資のひとつの方法で、リスク低減を見込むことができます。銘柄も時間も分散して投資できるのは、積立投資の大きな利点といえるでしょう。

 

 

川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所

代表 

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。