(※画像はイメージです/PIXTA)

家計を直撃する「値上げ」に、私たちはどう対処すればよいのでしょうか。手取り20万円・38歳食品メーカー勤務の男性の家計を例に、2023年も続くと予想される、値上げラッシュに負けない資産形成術を1級ファイナンシャル・プランニング技能士の川淵ゆかり氏が解説します。

インフレで資産が目減り!? 長期運用を早く始める重要性

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インフレは当然ですが、家計に大きな負担となります。Aさんの家計を例にしますと、現在の毎月の支出が約20万円ですが、毎年2%ずつ値上げや増税等で支出が増えていくと、10年後には約243,000円、20年後には約297,200円と増えていくことになります。収入を増やしたり、支出を減らしたりしなければ難しいですが、Aさんの年齢や息子さんのこれからの教育費増を考えると簡単ではありません。

 

また、インフレは資産価値を目減りさせる悪影響があります。例えば、200万円の車が2%ずつ値上がりしていくと、10年後には約244万円となります。しかし、200万円を定期預金に預けていると(今の金利が続くと仮定すると)、10年後でも合計400円(税引前)しか利息が付きません。これは、同じ200万円でも10年後にはものの価値に比べ、お金の価値は18%も下がってしまうことを表します。

 

Aさんには定期預金で300万円ほどの資産がありますが、上記の定期預金の例だと10年後でも6,000円、20年後でも12,000円の利息となります。定期預金は安全だ、というイメージがあるかもしれませんが、「インフレリスク」というリスクが存在することを忘れないでください。もし、Aさんが年3%複利での運用が達成できた場合、この300万円は、10年後には約403万円、20年後には約541万円まで増やすことができます。

 

これまで日本はデフレが長期間続きましたから、まとまった預貯金のあるご家庭は特に「投資」や「資産運用」など意識しなくても生活できていました。しかし、インフレに転じてしまうと、上記の例のように超低金利の悪い面が出てきてしまい、何もしなくても勝手にお金がどんどん減っていってしまうことと同じになります。

 

これは、リスクの取れない高齢者にはかなり厳しいものです。まだまだお金に余裕のあるイメージの高齢者ですが、これからは財布の紐はかなり固くなるものと思われます。しかし、高齢者になると資産を増やせなくても、現役世代のリスクの取れるうちはまだまだインフレに負けずに増やせるチャンスがあります。現役世代のうちに、いかにインフレや増税に負けない資産作りができるかが勝負になってきます。

 

NISAやつみたてNISA、iDeCoといった税金が非課税になる運用方法もありますので、必要に応じて専門家や金融機関に相談するなどして、ご自身に合った運用方法を見つけましょう。

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。