(※画像はイメージです/PIXTA)

家計を直撃する「値上げ」に、私たちはどう対処すればよいのでしょうか。手取り20万円・38歳食品メーカー勤務の男性の家計を例に、2023年も続くと予想される、値上げラッシュに負けない資産形成術を1級ファイナンシャル・プランニング技能士の川淵ゆかり氏が解説します。

物価高とボーナスカットが家計を直撃したAさん家族

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Aさんは食品製造業に勤務する38歳、6年前に結婚した33歳の奥様とのあいだには5歳の息子さんがいます。Aさん自身の年収は400万円少々(毎月の手取りは約20万円)。奥様は扶養内に収まるように働いており、年収100万円程度(毎月の手取りは約8万円)で、300万円ほど定期預金に預けっぱなしにしていることも気になっています。

 

Aさん家族もほかの家庭と同様、食料品や光熱費の値上げに悩んでいました。Aさんの勤務している食品製造業も円安の影響を大きく受け、ボーナスカットとなり、家計はダブルパンチを受けていました。

 

「息子の成長に伴いお金がかかってくる。自分も40歳に手が届くようになり、会社の状況を考えると定年まで無事に勤め上げられるかどうかもわからない」――不安にかられたAさん夫妻が、筆者の事務所へ訪問されたのは昨年の暮れのことです。

 

Aさん夫婦から受けた印象は、Aさんは責任感が強く真面目で、奥様は聡明でしっかりしたイメージでした。そんなお2人は、息子さんの教育にも熱心で、すでに3つの習い事(英語・サッカー・幼児教室)に通わせており、特に奥様は「将来は海外の大学に進ませたい」との希望もあります。いろいろとライフプランをシミュレーションしましたが、どうしても将来の家計状況は厳しいものでした。

 

Aさん夫婦に対しては主に次の提案をしました。

 

・習い事を減らす

息子さんのことを思い、小さいうちから習い事をさせる方も多いですが、大きくなって大学進学資金が足りず、奨学金の返済負担を息子さんに抱えさせるのは本末転倒です。

 

・定期預金での運用見直し

超低金利ではほとんど増えず、インフレ負けしてしまうため、投資信託やNISA、iDeCoを活用した分散投資での運用をアドバイスしました。

 

・学資保険の見直し

低金利時での学資保険加入は受取金がほとんど増えていないかマイナスになってしまうものもあります。海外進学も希望とのことで、外貨での積立運用をすすめました。

 

・奥様の収入を増やす

収入を扶養内に抑えている家庭は多いですが、稼げる力のある奥様ならフルタイムで働くのがこれからの時代はベストです。Aさんの奥様は英語も堪能で、結婚前は営業でバリバリ働いていたことがわかりました。

 

奥様の希望を聞き、息子さんの小学校入学時からフルタイムで働くことを仮定してシミュレーションした結果、Aさんの定年時には貯蓄額が1,000万円近く増えることがわかりました。

 

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本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。