(写真はイメージです/PIXTA)

世界経済の不透明感がいっそう増すなか、国内の投資信託はどのように動いているのでしょうか。ニッセイ基礎研究所、前山裕亮氏が、特に外国株式ファンド、外国債券ファンドに注目して分析します。

外国債券ファンドが見直されてきたが

2月は外国株式ファンドだけでなく、外国債券以外のすべての資産クラスのファンドで1月から資金流入が減少した。先行きに対する警戒感などの投資環境からなのか、単純に買いが一巡してきているのか分かりかねるが、投信市場では総じてリスク性資産に積極的に投資する動きは見られなかった。

 

その一方で外国債券ファンドには、2月に1,700億円の資金流入があり1月の900億円から増加した。2月はSMA専用の外国債券ファンドに400億円ものまとまった資金流入があったこともあるが、SMA専用以外の外国債券ファンドも1月から600億円も資金流入が増加した。個別にみると、2月に100億円以上の純流入があった外国債券ファンドが4本(赤太字)もあった(図表3)。うち3本は2月に新設された限定追加型のものであり、相変わらず限定追加型のファンドが人気を集めている。

 

このように外国債券ファンドがここ最近、売れるようになってきている背景には、先行きに対する不透明感が強いことや先進国債券の利回りが復活してきたことがあると思われる。ただし、外国債券ファンドは以前よりは投資冥利が出てきたことは確かだが、それでも投資先として本当に魅力的かは疑問符が付く。それは信託報酬、つまりコストが高いものが多いためである。

 

2023年2月末の外国債券ファンドの純資産総額をみると、実に年率1%以上(赤囲い)も信託報酬がかかるファンドが7割占めている(図表4)。一言で外国債券といっても定番の先進国債券だけでなく、新興国債券やハイ・イールド債券、さらには転換社債など様々である。ただ、いずれにしても株式より価格変動性が小さい代わりに収益性が劣ることは確かである。そのため、株式ファンド並みの高コストの外国債券ファンドなどでは、コストと収益性が見合っていないように筆者は感じている。

 

【図表4】
【図表4】

 

外国債券ファンドに限った話ではないが、特に外国債券ファンドを購入する際にはコスト面も十分に考慮した上で、コスト控除後でも本当に収益が期待できる商品なのか精査したほうが良いだろう。

一部の内外株式ファンドが好調に

2月に高パフォーマンスであったファンドをみると、テーマ型の外国株式ファンド(青太字)やアクティブ型の国内株式ファンド(赤太字)の一部が好調であった(図表5)

 

【図表5】
【図表5】

 

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年3月8日に公開したレポートを転載したものです。

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