※画像はイメージです/PIXTA

70歳で夫を亡くし、長く一人暮らしを続けてきた水田菊子さん(仮名)。子どもに恵まれなかったので、体がきつくなってきたら老人ホームに入居すると決めていました、数年前から見学会に参加。最高の場所を見つけて入所したのですが、そこで待ち受けていたのは……。

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趣味の旅行が楽しめなくなり終活を開始

会計事務所を経営していた夫を亡くしてから14年間、水田さんは一人暮らしを続けてきました。子どもはいませんが、夫が残してくれた資産は十分にあり、年に2回の海外旅行を楽しむ余裕の生活を送ってきました。

 

しかし80歳を過ぎてからは仲間の何人かが体調を崩し、旅行の機会が減ってきました。たまに観劇やランチに出かけるくらいと物足りない日々です。身内は甥が一人いるだけ。今は特別な病気はありませんが、今後何が起こるかわかりません。少しずつ終活を考えるようになりました。

 

体の自由が利かなくなったら、早めに老人ホームに入る決意はできていましたが、テレビでトーク番組を観ていたところ、著名な俳優が元気なうちに老人ホームに入居し快適な生活を送っていることを公表していました。ホーム内におしゃべりを楽しめるラウンジがあり、趣味を楽しめるサークルも充実していると聞き、自分の求めている場所と直感しました。

老人ホームに求める3つの条件

新聞に掲載されている広告を中心に老人ホームの情報を集め始めた水田さんですが、なかなか「ここ!」と思える場所が見つかりません。そこで介護士をしている友人の娘さんに相談すると、条件を出してくださいと言われました。

 

水田さんがあげた条件は3つです。

 

・立地は、若いころから憧れだった隣県のおしゃれな街

・入居者同士のコミュニケーションが盛ん

・旅行などのイベントが充実している

 

資産を残す必要がないので、入居金はある程度大きな金額でも構わないけれど、3つの条件は譲れないと友人の娘さんに話したところ、すぐに1つの施設のパンフレットを持ってきてくれました。水田さんが憧れている街のシンボルタワーが部屋から見えるロケーション、最上階にあるラウンジからは大好きな海も見渡せると言います。入居している人は元気な人が多く、社交的で旅行や季節のイベントも盛りだくさんだと聞き、水田さんの気持ちは前のめりになりました。

最高の終の棲家を見つけた!

早速、老人ホームに連絡を取り、見学会に参加してみました。近くの駅まで迎えに来てくれたのは、ホームの専用マイクロバスで快適な乗り心地でした。迎えてくれたスタッフはスーツを着用し、非常に礼儀正しく感動しました。老人ホームにありがちな、ポロシャツにコットンパンツのようなカジュアルな雰囲気では、自分が老人扱いされそうで嫌だったからです。

 

ホームに到着すると「コンシェルジュ」と呼ばれる案内役が、一対一でどんな質問にも答えてくれます。シンプルながら高価な素材を使っていることがわかる家具や調度品、そしてスポーツジム、温泉、音楽室、遊技場など共有設備はリゾートホテルとそん色ありません。

 

個室は45平米から90平米まであり、今なら好きなタイプが選べます。バストイレはもちろん、一人分なら十分なキッチンもついています。そして何より、ベランダからは憧れていたこの土地のシンボルタワーが見えます。夜にはイルミネーションに浮かぶ街の夜景が楽しめるそうです。

 

試食会では「いつもの夕食メニュー」が振舞われました。特別ではないと何度も説明されましたが、二つ星以上のレストランで食べる料理の味です。料理は嫌いではありませんが、最近は作るのを面倒に感じる日も増えてきていました。栄養バランスが良く、美味しい食事を毎日食べられるのは嬉しい限りです。

 

ここなら終の棲家として満点をつけられると感じた水田さんは、他のホームを見学することなく契約に踏み切りました。

 

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本連載は、株式会社パセリが運営する「MY介護の広場 老人ホームを探す『高級老人ホーム特集』」内の記事を転載・再編集したものです。

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