「ウクライナ侵攻」から1年を迎えるなか、米中対立が顕在化。対立が重石となる「中国不景気」の出口戦略はあるか

「ウクライナ侵攻」から1年を迎えるなか、米中対立が顕在化。対立が重石となる「中国不景気」の出口戦略はあるか
(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

香港ハンセン指数は4日続落

ハンセン指数 20,010.04 pt (▲1.68%)
中国本土株指数 6,703.45 pt (▲2.28%)
レッドチップ指数 3,929.06 pt (▲1.50%)
売買代金1,163億1百万HK$(前日1,026億6百万HK$

 

24日の香港市場は下落基調を払拭できず、ハンセン指数は4日続落と節目の20,000ポイントに迫る勢いで下落した。ウクライナ戦争からまる1年を迎えるなか、中国と欧米の対立が顕在化されるなど先通し不透明な環境が重荷となっている。

 

また、行動制限の緩和で中国経済が拡大に向かうとの期待が高まっていたが、中国政府の動きは見えず、肩透かしを喰らった形となり、失望売りも出ている。加えて香港上場の企業決算が冴えないこともネガティブな材料で、これで1月の上げ幅はすべて帳消しとなった。

 

24日は、中国インターネット業界の価格競争激化や地政学的緊張の高まりが重しとなり、テクノロジー銘柄が急落した。ハイテク株で構成されるハンセンテック指数は前日比3.34%安と3日続落と今年の安値を付けた。

 

オンラインゲームの網易(9999)は11.2%安と大幅反落、前日に発表された同社の2022年第4四半期利益は予想を大幅に下回った。

 

また、23年のオンラインゲームの売上も鈍化していることが嫌気された。アリババグループも5.4%安。同社の今後の売り上げの伸びを下方修正する予想に警戒感が高まった。

 

高性能データセンター開発の万国数拠(9698)は6.3%安、新興EVメーカーのNIO(9866)は6.3%安、動画配信のビリビリ(9626)は6.0%安と大きく下げた。
主要銘柄も総じて安く、インターネット検索の百度(9888)は6.0%安、アリババ(9988)は5.4%安、Eコマースの京東集団(9618)は4.7%安、フードデリバリーの美団(3690)は3.4%安だった。

 

中国本土株市場では、上海総合指数は前日比0.62%安の3,267.16と3日続落、CSI300は同1.04%安の4,061.05で引けた。来週の3月5日開幕の全国人民代表大会を前に、経済成長路線への回帰策を探る動きが続いている。
 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

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