(※写真はイメージです/PIXTA)

上司には「良い報告」をしたいと思う一方、「悪い報告」はしたくないという人がほとんどでしょう。そのようななか、「悪い情報」もきちんと報告を受けるのが良い中間管理職(=リーダー)だと、経営コンサルタントの中田仁之氏はいいます。それはなぜか、本記事で詳しくみていきましょう。

正確な情報を握るリーダーになる方法

上司に悪い報告を堂々とできるリーダーこそ良いリーダーだと私は考えています。実は企業にとって、悪い情報こそ、正しい判断をするために必要なのです。世間を賑わしている「情報改ざん」は典型的で、その企業の社風・ムードが一目瞭然です。

 

では、あなたがリーダーとして、そのような悪い情報を部下から報告されるリーダーであるために、何が必要なのでしょうか?

 

「パパ聞いて聞いて! あのね!」

 

子供って、嬉しいことがあると真っ先に親に伝えたくなります。会社でも部下から上がってくる「良い話」はすぐに、しかも少し誇大されて伝わってきます。それは良い報告をして褒めてもらいたい、一緒に喜んでほしいという気持ちからだと思います。

 

一方、あまり嬉しくない話はどうでしょうか? あなたのもとに、ストレートに届きますか?

 

「タマネギは泥のついたまま持って来い」

 

ある上場企業の経営者の言葉です。嬉しくない話というのは、オブラートに包まれたり、影響を小さめに表現したりというバイアスがかかりやすくなっています。このバイアスがかかった情報を鵜呑みにすると、トップの判断が遅れたり誤ったりしてしまうのです。

 

泥のついたタマネギというのは、生のままの情報を指しています。経営者のもとに届く前に、課長が泥を落とし、部長が一皮むき、役員がもう一皮むいて持ってきたのでは、経営者に本当の姿は見えません。

 

ではなぜ、課長は泥を落とすのでしょうか? 部長は一皮むいてしまうのでしょうか? 理由は簡単です。叱られるのが嫌だからです。

 

ミスをして報告しなければならないのは義務です。しかしそこで逃げたくなる、誰かのせいにしたくなる、ごまかしたくなるのもよく分かります。いわゆる自己防衛本能によって、そのような感情が起こります。

 

しかし、そこをグッと抑えて部下は上司に報告した時に、感情的になってしつこく怒られたりすると、もう二度と泥のついたタマネギを持っていこうとは思わなくなります。すぐに感情的になるリーダーには、正確な情報は上がってきません。

 

報告を受けた上司も、さらに上へと報告を上げなければならないので同じことが起こります。自己防衛本能を働かせて部下のせいにするのか、ごまかすのか色々葛藤をした上で泥のついたまま持って行って、そこでこてんぱんに叱られたりすると…。

 

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※本連載は中田仁之氏の著書『困った部下が最強の戦力に化ける すごい共感マネジメント』(ユサブル)より一部を抜粋し、再構成したものです。

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

困った部下が最高の戦力に化けるすごい共感マネジメント

中田 仁之

株式会社ユサブル

困った部下(=指示待ち族、指示に従わない、手を抜く)にお困りのリーダーは経営者や管理職を問わず非常に多いようです。 ある「5つのメソッド」を念頭に、リーダーとしての「姿勢」をもう一度見直してみてみることで、あ…

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