(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者自らが「ITやインターネットのことはよく分からないし苦手」と言って担当者に任せっぱなしにしていると、気づかぬうちに競合企業から差をつけられてしまいます。しかし、「デジタルにうとい自分には到底できない…」と悲観する必要はありません。たとえば「専門用語」は数多くありますが、よく使うものは限られています。本稿では経営者にこれだけは知っていてほしい専門用語を厳選し、わかりやすく解説します。

CV(Conversion)

問い合わせや購入といったWeb上での最終的な成果を指します。

 

ホームページを運営するうえで、よく登場する用語です。CVはUXと深く関係しています。ホームページで問い合わせ画面までどうやって行けばいいのか訪問者が分からない、問い合わせ画面の入力項目が多過ぎて訪問者が途中で入力をあきらめてしまう、というような状況であればCVに結びつきません。CVに結びつけるためのUXの設計が必要になります。

CVR(Conversion Rate)

コンバージョン率、顧客転換率ともいいます。ホームページの訪問者が購入したり問い合わせなどをしたりした件数(コンバージョン数)を訪問者数(セッション数)で割った数値です。コンバージョン率が低いのは、ページがよく見られている割には成果が少ないということを意味します。コンテンツに問題があるのか、導線に問題があるのか、原因を探って改善するプロセスがホームページの運営には必要です。

アーンドメディア(Earned Media)

報道や第三者によるSNS発信・レビューのメディアのことです。報道メディアや製品を購入した人が自発的に製品の長所を広めてくれて、自社で広告費を負担する必要がないというありがたいメディアですが、一方で風評被害につながりやすいという問題もあります。

ペイドメディア(Paid Media)

企業が料金を払って広告を掲載するメディアのことです。ECサイトのショッピングモールや就職情報サイトなど、利用料を払って商品や求人の情報を掲載するメディアも含まれます。ペイドメディアは圧倒的な露出、集客力があるため、活用する企業は多いです。しかし掲載する情報が定型化されており、利用者が求める情報とずれてきていると感じます。

オウンドメディア(Owned Media)

自社サイトで顧客や求職者といった関係者に情報を発信するメディアのことです。広義の意味では自社のホームページやブランドサイト、採用サイトも含まれます。

 

今後はペイドメディアの役割は、オウンドメディアに移行していくと私は見ています。オウンドメディアの競争力が高い企業しか成長できない時代になります。来るその時に備えてホームページを育てていく必要があります。

 

[図表1]ペイドメディアからオウンドメディアへ

カスタマージャーニーマップ(Customer Journey Map)

顧客が製品を知らない状態から製品と出合い、製品を購入・利用するまでの一連のプロセスを指します。ホームページを訪れる人は、製品を知らなかった段階・製品に興味をもちほかの製品と比較する段階・製品を選ぶ段階・製品を使用している段階のそれぞれで知りたい情報は違います。

 

ホームページを訪れる人それぞれの段階での感情を理解して情報を提供することで、購買意欲を高めます。さらに購入後も良い関係を構築することで、満足度を高めてリピートしてもらう可能性も広がります。成約率を高めるとともに、最終的にロイヤルカスタマーを増やして訪問者の売上を最大化することが目標となります。

データドリブン(Data Driven)

勘や経験ではなくデータに基づいて意思決定をするという考え方で、経営やマーケティングにおいて注目されています。ホームページにおいては現状を把握するためにアクセス解析ツールを使います。私がデジタル音痴の経営者でも使えるアクセス解析ツール「Groweb!」を開発したのも、すべてデータによる根拠に基づいてホームページを改善していけばおのずと成果が上がると確信したからです。

トリプルメディア(Triple Media)

企業がマーケティングをするにあたり、消費者との接点となるペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアそれぞれの特性を活かした戦略を策定するというものです。現在はトリプルメディアを拡張した考え方として「PESO」が主流になりつつあります。PESOは、アーンドメディアから第三者によるSNS発信を切り離してシェアードメディア(Shared Media)と定義し、アーンドメディアとは違う戦略を立てるという点に違いがあります。

ペルソナ(Persona)

ターゲット属性のなかで、特に狙っていきたい層を個人として細かく設定します。例えば、「35歳、大手メーカー勤務、妻、6歳の男の子との3人家族。アウトドアが好きで、子どもとキャンプに行くのが趣味だが、忙しくて行く回数が減ってきたため家でもキャンプ気分を楽しめるようなグッズを探している」といったような形です。このような設定をすることで、よりターゲットとなる人物像が明確になり、その人がホームページを見たときにどのような感情をもつのかを想像できるようになります。

ランディングページ(Landing Page)

文字どおり訪問者が最初にアクセスするページのことを指しますが、一般的には購入や問い合わせといったコンバージョンに特化したページの意味合いで使われています。ECショッピングモールで特定の商品ページにアクセスすると、商品の活用例や特徴、ほかの商品と比較した際の優位性、お客様の声といった内容をスクロールしながら見ていくページを見たことがある人も多いと思います。

 

カスタマージャーニーマップのそれぞれの段階に応じた内容が1ページで完結しており、訪問者に行動を促す作りになっていることがよく分かります。こうしたランディングページはたまたまそのページを見つけた訪問者を直接問い合わせや注文につなげる効果が高いとされています。

 

[図表2]一覧表:これだけは知っておきたい専門用語(※クリックで拡大)

 

 

浜野 耕一

株式会社コウズ 代表取締役

 

※本連載は、浜野耕一氏の著書『デジタル音痴の経営者でも作れる 業績を上げるすごいホームページ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

デジタル音痴の経営者でも作れる 業績を上げるすごいホームページ

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浜野 耕一

幻冬舎メディアコンサルティング

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