(※写真はイメージです/PIXTA)

お金がない状態を当たり前のことだと考えがちですが、本当にお金がないのでしょうか。今まで生きてこられたということは、お金があったということではないでしょうか。心理カウンセラーの山根洋士氏が著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)で解説します。

人間に備わった危機回避能力の一つ

突然ですが、あなたはコップに半分入った水を見て「まだ半分もある」と思いますか?「もう半分しかない」と思いますか?

 

パッと見たときに「まだ半分もある」と思えなくて、「もう半分しかない」と思ってしまうのは、いわば認知のクセです。

 

これは人間に備わった危機回避能力の一つで、なんでも「ない」を基本設定にして行動したほうが危機な目に遭いにくくなります。

 

だから、半分なくなったことに目がいって、「もしこの半分もなくなったら…」ということを想定して行動します。

 

「ない」に反応しやすいため、不安をあおられやすいのも人間です。

 

お金のこともない状態を基本設定にしがちですが、本当にお金がないのか、今一度考えてみてください。

 

お金が本当に一銭もなかったら、この資本主義社会を生きていくことはできません。今生きている、また、今まで生きてこられた、という事実はお金がある、また、お金があった、ということを物語っています。

 

そもそも、今の日本でお金が本当にない状態を作るのは至難の業です。各種助成金に生活保護、自己破産など、国が経済的に支えてくれる制度が整っているからです。

 

「言われてみればたしかにそうかも。お金が一銭もない状態は、今まで経験したことがないな」と思った人は、今まで「お金がない」としていた人です。もしまた「お金がない」と思ったら、コップの水のたとえを思い出して「ある」に目を向けてください。

お金は大切に使う人のところに集まる

繰り返しますが、お金は世の中を流れているものですから、無理して貯めようとする必要はありません。

 

お金持ちになるには、お金を貯めようとするのではなく、流れをよくするほうに意識を向けることが正解です。

 

常に、生活や遊び、欲しいものを買うのに必要なお金が手元に流れてくればよくて、それがお金に困っていない理想的な状態でもあります。

 

無理してお金を貯めようとすると、お金に対する執着が生まれて、使うのが怖くなります。すると、欲しいものやしたいことをがまんする状況になって、ストレスが溜まっていきます。

 

がまんする分、お金は貯まりますが、ストレスも溜まるわけです。

 

その結果どうなるかというと、あるとき突如、これ以上がまんしたくない! と感情が爆発して散財してしまうのです。

 

よく自分へのご褒美と称してお金を使う人も、このパターンに陥っている可能性が高いでしょう。

 

お金のことをよく知らない人ほど、こうしたお金の使い方をしがちです。

 

お金の流れをいったん止めてバーンと勢いに任せて使うのは、お金をばら撒いているも同然です。お金を大切にしている、とはとても言えません。

 

お金のことをよく知らない人は散財して、お金のことをよく知り、大切に使う人のところにはたくさん集まってくる。

 

これは、お金の絶対的な心理法則です。

 

言い換えれば、お金をよく知らない人のお金が、お金をよく知って大切に使う人のところに流れていく、という見方もできるでしょう。

 

次ページ受け取りの「許可」をすれば、お金は流れてくる

※本連載は山根洋士氏の著書『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)から一部を抜粋し、再編集したものです。

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法

山根 洋士

PHP研究所

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