写真提供:GEN INOUE

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回のテーマは、日本の住宅に使われている「窓の性能」。驚きの事実をみていきましょう。

積極的に採用したいドレーキップ窓とFIX窓

家を新築する際の窓の選び方について、知っておくべきことをもう少し掘り下げたいと思います。まず、日本では「引違い戸」が一般的で人気があります。「引違い戸」とは、建具枠と2枚以上の引き戸で構成されたもので、2本以上の溝またはレールの上を水平移動させて開閉させるものです。我々が普通にイメージする左右どちらにでも開閉できる窓のことです。確かに使い勝手が良いと思います。

 

ところが「引違い戸」は、スライドして開閉する分、どうしても隙間が多く、気密性能の確保が難しくなります(図表7)。高気密・高断熱住宅にするならば、引違い戸の使用は極力避けたいところです。計画時に、窓ごとにそこは引違い窓でなければならないのか、しっかり考えた上でひとつひとつ選択したいものです。

 

【図表7】
【図表7】

 

お勧めしたいのは、「FIX窓」というまったく開閉できない窓の積極的な採用です。よく考えると採光ができれば必ずしも開かなくてもいい窓というのは意外と多いものです。「FIX窓」はコストも安く、もちろん気密性能も高いので、性能向上に伴って建築費が上がることに悩んでいるのならば、ぜひお考えください。

 

そしてもうもう一つお勧めしたいのは、欧州では一般的な「ドレーキップ窓」です。少し耳慣れないかもしれません。それもあり、たとえばYKK APではイメージしやすいように、「ドレーキップ窓」のことを「ツーアクション窓」(図表8)と呼んでいます。これは、内開きと内倒しの2つの機能を、ハンドル操作だけで出来る窓です。内開きにすれば外面の掃除も簡単に行えますし、内倒しにすれば外からはハンドル操作はできないので、外出時でも換気が行え、防犯面も安心です。そして、何よりも窓を閉めて、ハンドルを回せばしっかりと密閉されて、気密がとれます。

 

【図表8】
【図表8】

玄関の断熱性能もとても重要

窓と併せて、開口部で性能を意識したいのが、玄関ドアです。日本の今までの家は、玄関ホールが寒い家が多いですよね。これは、玄関扉の断熱性能の低さが大きな要因です。最近は、断熱性能の高い玄関ドアのラインナップがかなり充実してきています。玄関ドアの断熱性能を上げると、リビングと一体的なオープンな間取り等も可能になりますし、ぜひ、意識していただきたいポイントです。

 

健康・快適で結露のない住まいを実現したいのならば、まず窓や玄関ドア等の開口部の性能にぜひこだわっていただきたいものです。

 

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