(※写真はイメージです/PIXTA)

食後高血糖となる「耐糖能異常」が痩せた若い女性に多いことが明らかになってきました。痩せていても、「脂肪組織の異常」が起きており、肥満者と同様の体質になっている場合があるといいます。日本では、痩せた若い女性も十分な栄養と運動により筋肉の量と質の向上を心がける必要があります。

やせた女性たちが、糖尿病にならないために

(1)運動の習慣化

 

「エネルギー低回転タイプ」を改善するためには、主に筋肉の「量」を増やす「レジスタンス運動」と、「質」を高める「有酸素運動」の取り組みの双方を行うことが重要となります。

 

つまり、筋肉の「量」を増やすにはレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)が、そして、筋肉内の脂肪を燃やして「質」を高めるにはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が、大変有効です。

 

(2)バランスのとれた食事

 

このように積極的な運動を行うことに加えて、栄養摂取不足になってしまっているやせ型女性の場合、健康を維持するために、バランスのとれた食事を適量摂ることも必須となります。

 

例えば、若い女性でダイエットのために極端な炭水化物制限を続けていると、身体に必要なブドウ糖を産生・供給するために筋肉が分解されてしまうことや、不適切な食事によるタンパク質の摂取量不足により、筋量が低下し、高齢者で認められる筋量の減少(サルコペニア)のレベルにまで筋量が低下するリスクがあります。

 

以上のように、「やせていれば健康」ということでは必ずしもなく、やせすぎた女性は、太った女性と同様に、糖尿病の発症リスクが高くなる可能性があることが分かってきました。やせ状態が続くことで、将来的に骨粗鬆症・サルコペニアだけでなく、新たな疾患リスクにつながることも懸念されるのです。

 

したがって、日頃から適度な運動を行い、バランスのとれた食生活をすることで、筋肉の「質」と「量」を守ることを心がけ、何歳になっても元気で健康なからだを維持していきましょう。

 

Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 2021 Apr 23;106(5): e2053-e2062. 
https://www.juntendo.ac.jp/news/20210216-01.html

 

佐藤 文彦
Basical Health株式会社 代表

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

■入所一時金が1000万円を超える…「介護破産」の闇を知る

 

■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走

 

※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。