(※写真はイメージです/PIXTA)

老若男女問わず患者が多い「口内炎」。症状を放置するか、すぐに病院に行くかは人によってまちまち。しかし、口内炎にはときに重大な疾患が隠れているケースがあります。そのデッドラインとは―。これまで20年以上に渡り人々の口内を見続け、海外でも診療をしてきた馬車道木村耳鼻咽喉科クリニック院長・木村至信医師に解説いただきます。

口内炎の中でも、最も多いのがアフタ性口内炎です。その症状は、

 

  • 白い斑点
  • せいぜい数個
  • 頬や歯茎、舌にできる
  • 痛みを伴う

 

などで、原因は

 

  • 熱々の食事を食べた
  • 口の中が傷ついている
  • 唾液量が少ない
  • 刺激物を食べた
  • 免疫力が落ちている
  • 睡眠不足や生活リズムの乱れ
  • ストレス
  • 胃腸の調子が良くない
  • 歯科の詰め物があっていない

 

などですが、その原因ははっきりとはわかっておらず、またなぜ悪化してしまうのかは不明です。比較的治りが早く1~2週間程度で治るのも特徴です。

 

主な治療法は、

 

  • パッチ:アフタッチ®など
  • 軟膏:デキサルチン軟骨など
  • トローチ
  • うがい薬
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

 

黄連解毒湯は、黄色い色をした漢方薬で、胃腸炎やニキビなどの炎症性疾患によく用いられる漢方薬です。錠剤タイプや丸薬タイプのものを、トローチのようにゆっくりと舐めて使用するのが一番効果的です。ただかなり苦みの強いものになります。

 

レーザー治療を実施している歯科医院もありますが、口内炎のレーザー治療は、炭酸ガスレーザーなどの熱エネルギーを患部に照射し、消毒・殺菌しながら痛みを和らげるという治療法です。しかし、費用は保険適用外のためまちまちですし、照射が有効でない口腔内疾患も多いので、まずは耳鼻咽喉科で診断を受けることをお勧めいたします。

 

口内炎の大半は一週間ほどで治りますし、薬を使えば数日で治ります。まれに免疫力のかなり低下した方が、通常身近に存在しているカンジダというカビの一種である真菌に感染してしまうことがあり、そうするとただのアフタ性口内炎よりも痛みの強い、しつこい口内炎になります。

 

入院などの闘病生活をされている方やご年配の方、エイズなどの免疫疾患を患われている方は一般的な口内炎の薬ではむしろ悪化するので、違う薬を使う必要があります。カンジダによる口内炎は大きく、しかもなかなか治らないため、食事をすることも大変になってきます。

口内炎の予防策

口内炎にならないための予防策としては、以下が挙げられます。

 

  • 辛いものを食べ過ぎない
  • アツアツのものは冷ましてから食べる
  • 濃い味は少量にする
  • 歯ブラシなどで強く口内を傷つけない
  • 口腔内を清潔に保つ
  • 入れ歯、矯正器具を直す
  • 体を休ませる

 

以前激辛料理を食べて、口腔内の常在菌が死に、粘膜がただれて、口の中が白いレース状にただれるカンジダ性口内炎が多発してしまった患者さんを拝見しました。何事もほどほどですね。口の中に雑菌を溜めないためにも、口の中が乾いた状態にならないよう心がけるのも大切です。

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