(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株レポートから転載したものです。

2023年の中国景気見通し…通年成長率は5%近く回復か

23年は景気持ち直しにつれ、政府はインフラ投資を抑制しよう。土地利用権販売収益は政府の財政収入全体の約3割を占めるが、政府は過度な住宅販売を抑制するとみられ、土地利用権の需要は減退しよう。政府は財政赤字の拡大を懸念し、過度な支出は控えると考える。

 

さらに、米国が23年も利上げを継続し、他国も追随するとみられる。23年の世界の成長率は+2.9%(22年+3.2%)へ減速すると見込まれ(IMFの世界経済見通し、22年7月)、中国の輸出の伸びは4.5%と、22年の半分程度に留まろう。GDP成長率に対する純輸出の寄与度は低下するとみられる。

 

ただし、22年に新型コロナの感染拡大の影響で消費の伸びが鈍化した反動で、23年は消費の回復が期待される。特に、22年は4月以降、長期旅行や外での娯楽等が抑制されたため、反動増となろう。

 

また、在庫調整も23年初めには終わるとみられ、景気の下押し圧力は緩和しよう。また、在庫循環の積み増し期に入るとみられ、23年通年の成長率は4.7%まで回復すると見込む。

 

リスクとしては、中国が23年もコロナ対策として大規模な都市封鎖を実施する可能性があり、そうなれば消費の回復は難しかろう。また、米国の利上げ幅が予想以上に大きく、かつ他国が追随した場合、世界の経済成長率が更に押し下げられる可能性がある。そうなれば中国の輸出の伸びが一段と鈍化することも考えられる。

 

ただし、中国景気に下押し圧力が強まった場合、政府は財政赤字を拡大し、再びインフラ投資他の景気刺激策を拡大し、景気安定に注力すると考える。

 

[図表4]可処分所得と消費支出の伸び率(実質)
[図表4]可処分所得と消費支出の伸び率(実質)

 

[図表5]在庫循環表
[図表5]在庫循環表

 

 

白岩 千幸

東洋証券株式会社 投資情報部

シニア・エコノミスト/ストラテジスト
 

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