「実家を頼む」との父の遺言を守り、実家を大事に管理してきたタレントの松本明子氏でしたが、ついに「実家じまい」を決意します。そこでまず、空き家の売り手と買い手を結ぶ「空き家バンク」に登録し、買い手を探しはじめた松本氏。しかし、空き家バンクの担当者から「厳しい現実」を突きつけられるのでした。

改修代の元をとろうとしたものの、担当者の言葉は…

困った、どうしよう……。そんなとき香川県が運営する「空き家バンク」というサービスを知りました。

 

空き家を貸したい、売りたい人が、物件情報を地方自治体が主体となって運営する空き家バンクのホームページに公開し、空き家を借りたい、買いたい人が利用できるようにしたものです。実際の仲介業務は、不動産業者さんに頼んで行ないます。

 

藁にもすがる思いで、早速、利用することにしました。

 

登録窓口のある高松市役所に行くと、空き家を登録するには事前に物件の現地調査が必要ということで、市に調査を依頼しました。調査員が実際に現地に足を運んで、建物や敷地、ライフライン(電気・ガス・水道・排水・その他)の状態をチェックし、写真に撮ります。

 

調査に立ち会ったのですが、外壁にヒビはないか、耐震性能はどうか、床は傾いていないか(ビー玉を転がしてチェックしていました)等々、非常に細かく調べていました。この調査で問題がなければ、写真付きの物件情報が登録になります。掲載料は無料です。

 

私は賃貸と売却の両方で登録しました。希望額は賃貸が月10万円、売却はせめてリフォーム代くらいは元を取りたいと思って600万円にしました。高松の不動産屋さんの査定200万円は、いくらなんでも安すぎると思っていましたし。

 

でも、それを見た高松市の担当者の方は、少し苦笑を浮かべながら、言ったのです。「何年もかかかりますよ。いつ売れるかわからないです」

 

ひょっとして、私ってばおととい来やがれみたいな希望額を書いてしまった? と一瞬狼狽えましたが、いまさら変えるのもなんなので、そのままにすることにしました。

 

密着取材を続けてきた「爆報! THEフライデー」が、ここまでの私の奮闘ぶりを放送したのは、この年(2017年)の7月のことでした。

 

反響はすごかったですね。いろいろな方から「実は私も……」と空き家になった実家の扱いで苦労している話を伺いました。テレビの影響はやっぱり大きいなと思いました。

 

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女優・タレントである松本明子氏の実体験……

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次ページ購入希望者は現れるも…希望額には遠く及ばない

※本連載は、松本明子氏の著書『実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

松本 明子

祥伝社

数十年前に建てたマイホーム。現在は子が独立し、故郷に親御さんだけが住み続けているという方がほとんどなのではないでしょうか。ゆくゆくは実家に住む人が誰もいなくなってしまうのは予想できるけれど、日々の忙しい生活でと…

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