(※写真はイメージです/PIXTA)

亡き親がどのような遺産を残していったのか。生前から家族で話し合って準備をしていればまだしも、相続財産のすべてを把握するのは想像以上に難しいものです。本稿では、相続財産のうち、土地や建物といった不動産を漏れなく確認する方法を見ていきましょう。司法書士・佐伯知哉氏(司法書士法人さえき事務所 所長)が解説します。

なぜ相続不動産を調べる必要があるのか?

今回は、相続のプロ・司法書士として、相続不動産を漏れなく調査する方法について解説します。参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

 

まず、相続した不動産をなぜ調査しなければならないのか?ということからお話しましょう。

 

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<調査する理由>

①遺産分割協議をする前提として、遺産の内容を漏れなく確認する必要があるから

②争いのある相続で被相続人の財産を管理している相手方がいる場合、遺産内容を開示してくれないかもしれないから

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被相続人(=亡くなった方)の遺産の中に不動産が含まれる場合、相続人たちは、どの相続人がその不動産を取得するのかという話し合い、すなわち「遺産分割協議」をします。

 

ただ、どんな土地や建物があるのかといった遺産の内容がわからないと、分けようがありませんよね。ですから遺産分割協議をする前提として、どんな不動産があるのか?というのは必要な情報であるわけです。これが調査をする1つ目の理由です。

 

2つ目の理由は、争いのある相続において、被相続人の財産を管理している相手方がいる場合、遺産内容を開示してくれないかもしれないから。たとえば、兄弟で相続をすることになったけれども兄と弟の仲が悪い、といった場合です。

 

この兄が亡くなった親と同居していた場合、弟側としては、その親がどういった不動産を所有していたのかを完璧に把握するのは難しいのではないかと思われます。特に疎遠になっていたりすると、しばらく連絡を取っていない間に親がどういった不動産を取得していたとか、手放したかというのはわからないのではないでしょうか。

 

不仲なので兄に情報を聞くというわけにもいかないですし、ひょっとしたら、聞いたところで教えてくれないかもしれません。

 

弟も相続人ですから、そんなときには自分で調べる必要性が生じます。以下で解説する方法も、こんな場合に使える手段となっています。

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