(※写真はイメージです/PIXTA)

世界を見渡してみても、日本人の現金保有率(貯蓄率)の高さは顕著です。NIKEのエアマックスを日本に流通させ、1年で約44億円を売り上げた中谷昌文氏が、アメリカにて実践で身につけた資産防衛のノウハウを著書『なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか? 』(ビジネス社)で、解説します。

銀行にお金を預けると目減りする驚きの経済大国、日本

「でも、銀行にお金を預けていれば安心でしょう」

 

そのように考えている方も多いと思います。しかし実際は、銀行にお金を預けているだけでは、時間とともにその価値が目減りしていく可能性があります。なぜなら、お金の価値は日々変化しているからです。

 

そもそも日本では、預金金利にいくつもゼロが並んでいる状態です。ご存知の通り、大手銀行の普通預金金利は「0.001%」などとなっており、定期預金でもその水準は大きくは変わりません。

 

しかもこの低金利は、20年どころか30年近く変わっていないのです[図表2]

 

[図表2]普通預金・通常貯金の金利の推移

 

金利は低水準のままである一方、日本は政策としてインフレ(物価上昇)を目指しています。

 

預金金利が変わらないまま、インフレになるとどうなるでしょうか。利息は得られないまま資産価値だけが減ることになります。こうした状況を黙って見ているわけにはいきません。

 

とくに、かつての高金利の時代を経験したことがある年配の方は注意が必要です。若い人ほど、「銀行にお金を預けていても増えない」という意識があります。しかし、銀行に預けるだけで数%の金利を得ていた世代の人は、あらためて考え方を切り替えなければなりません。

 

すでに、銀行にお金を預けていても増えない時代は固定化しており、この先の見通しも立ちません。

 

これからは銀行にお金を預けるのではなく、またタンス預金をするのでもなく、自分のお金は自分で増やさなければなりません。

 

現役世代の方も同様です。厚生労働省の「就労条件調査」によると、過去15年ほどの間に、大卒者がもらえる退職金の平均額は1,000万円近く減少しているそうです。この先、もらえない人も増えていく可能性があります。

老後の年金生活はよもや夢物語に

そして年金の問題もあります。そもそも日本の年金は「賦課方式」であるため、必要な財源をその時々の保険料収入から賄っています。つまり、現役世代が負担することで、年金受給世代が年金を受け取れているイメージです。

 

そう考えると、少子高齢化が進展している現状を見れば、将来的に制度そのものの存続が危惧されるのも当然です。この先、年金制度が維持できるかどうかはわからず、少なくとも、もらえる金額は減っていくと予想されます。

 

昔のように、就職して結婚し、家を買い、ローンを返済しながら子育てをし、老後は退職金と年金で悠々自適に過ごすというのは、すでに夢物語になりつつあります。真面目に働いていても、銀行にお金を預けているだけでは厳しい状況です。

 

やはり投資を含めて、より広い視野でお金について検討していく必要があります。そのヒントになるのが、私は海外だと考えています。海外投資を検討することによって、可能性はどんどん広がっていきます。

 

たとえば、普通預金や定期預金の金利に関しても、日本とは比べものにならないほど高金利のところがあります。あるいは、日本では実現できないような投資法や運用法も、海外では実現できます。

 

日本は島国であるため、海外の人がどのような資産運用をしているのかを肌で感じるのは難しいところがあります。しかし、現代はインターネットもありますし、日本にいても情報を得ることは可能です。

 

大切なのは、現状をきちんと理解したうえで、必要な行動をとっていくこと。正しい情報をもとに、適切に危機感を持ちながら、一歩を踏み出すことなのです。

 

中谷昌文

社会貢献活動家

国際ビジネス大学校 理事長

特定非営利活動法人 国際コンサルティング協会 理事長

本連載は、中谷昌文氏の著書『なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか? 』(ビジネス社)から一部を抜粋し、再構成したものです。

なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?

なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?

中谷 昌文

ビジネス社

世界の富裕層はどのように財産をつくり、子孫に伝えているのか。教師を経験した後、渡米して様々な経験を積んだ著者は、NIKEシューズと出合い、その魅力を日本に伝えた。そうした経験でつくった人脈と資産によって、海外の富裕…

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