(※画像はイメージです/PIXTA)

マイナス金利下の現在、まとまったお金を銀行に預けておいても、ほとんど増えません。そこで、おすすめしたい手段の一つが、高利回りで、かつ、比較的低リスクの「ゼロクーポン債」という金融商品です。

ゼロクーポン債の注意点

ゼロクーポン債を活用する上で押さえておかなければならない注意点は、以下の3つです。

 

1. 償還時の差益に約20%の税金がかかる

2. 途中で売却すると損をする可能性がある

3. 償還時に為替相場が円高だと損失が発生するリスクがある

 

第一に、償還時の差益は「上場株式等にかかる譲渡所得」にあたり、20.315%の税金がかかります。また、値上がり益等について税制優遇を受けられるNISAの対象でもありません。

 

第二に、途中で売却すると損をする可能性があります。債券の価格は償還時に向けて変動し、最終的には額面の価格に到達します。しかし、その途中、タイミングによっては購入価格を下回る可能性があり、そのときに売却すると損をすることがあります。

 

第三に、これが最も重要なのですが、償還時の為替相場が購入時より大幅に円高になると、損失が発生するリスクがあるということです。

 

特に2022年9月現在、記録的な円安となっており、今後、円高に振れる可能性があります(もちろん、逆に円安がさらに進む可能性もあります)。

 

そこで、重要なのは、為替相場の変動による損益分岐点、つまり、どこまで円高が進めば損失が発生するかということです。

損益分岐点を見極めて活用しよう

たとえば、「額面1万米ドル、償還期間17年、購入価格5,800米ドル」のアメリカのゼロクーポン債を、1米ドル=140円で購入したとします。日本円での購入金額は140円×58万米ドル=81.2万円です。

 

17年後、1万米ドルが償還されます。そのとき、1万米ドルが日本円に換算して81.2万円を下回らなければ、損をしないということになります。

 

したがって、このゼロクーポン債の損益分岐点は1米ドル=81.2円ということになります。

 

なお、ゼロクーポン債は米国以外の国も発行していますが、通貨の為替相場が安定している国のものを選ばないと、その通貨の暴落等により思わぬ損をする可能性があります。特に、新興国のゼロクーポン債は要注意です。

 

このように、ゼロクーポン債の活用を考えるときには、償還時の為替相場の損益分岐点を意識することが重要です。

 

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