(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

ハンセン指数 22,014.59 pt (+2.24%)

中国本土株指数 7,679.60 pt (+2.84%)


レッドチップ指数 3,930.01 pt (+0.43%)

売買代金1,840億3百万HK$(前日1,400億8百万HK$)

テクノロジー株が香港株式市場の上昇を牽引

8日の香港ハンセン指数は大幅に反発し、2ヵ月ぶりに22,000ptを回復した。ハンセンテック指数は他指数をアウトパフォームし前日比4.76%高で、テクノロジー株が香港株式相場の上昇を牽引する形となった。米長期金利の上昇が一服したことも、買いの安心感を誘った。ハンセン指数は今年4月につけた高値の22,500ptをうかがう動きになってきている。

 

香港取引所に上場する中国主力銘柄も大幅反発し、Eコマース大手のアリババ(9988)は前日比10%高、中国医薬品開発のベイジーン(6160)が同13%高、検索大手の百度(9888)、京東集団(9618)は揃って同6%近く上昇した。

 

中国ゲーム規制当局は約2ヵ月ぶりに計60タイトルの国産ゲームの承認を発表した。これが手がかりとなり、中国オンラインゲーム株も大幅上昇した。関連銘柄の物色も目立ち動画配信プラットフォームのビリビリ(9626)が前日比20%上昇し、オンラインゲームの網易(9999)、テンセント(700)は同6%近く上昇した。

中国本土の株式市場は、約2ヵ月ぶりの高値

北京では5日連続で、新型コロナウイルスの新規感染者(無症状者除く)が確認されていない。6月1日からは中国最大生産都市である上海市の操業が再開しており、主要工場の大半が再開されて徐々に以前のような活動が戻りりつつある。

 

中国本土の株式市場は、約2ヵ月ぶりの高値で引けた。上海総合指数が4日続伸し前日比0.68%高の3,263.79、CSI300指数は同0.97%高の4,219.81で引けた。先週末に指摘したが、政策効果とロックダウン解除の効果に期待が膨らみ、景気底打ち観測から香港株・中国本土株とも買い進まれる流れとなってきた。

 

今月・来月と予定される米FRBや欧州ECBによる金融引締めの影響は楽観視できないが、中国経済にはダブル効果の方が影響が大きく、今月の戻り局面で、高値がどこまで追えるかに注目が集まる。

ドル円は132円半ばから133円30銭前半まで、じり高

なお、為替相場ではドル円でドルの上昇が一段と進んだ。ドル円は、7日ニューヨーク市場引けの水準である132円半ばから、アジア時間の取引で133円30銭前半まで、じり高となった。米ドル金利の上昇圧力は続くと考えられる一方、日本の国会では黒田日銀総裁が、金利を上げる素振りも見せず、ドルは連日で高値を更新し、約20年ぶりの高値水準である133円台に入ってきた。

 

同様に、ECBによる7月利上げ観測を受けて、ユーロは対円で、1ユーロ=142円台前半まで約7年ぶりの高値水準に上昇した。

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

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