(※画像はイメージです/PIXTA)

足元、米ドル高・円安が一段と広がっています。また、先週は米ドル/円だけでなく、円全面安の様相となりました。そこで今回は、なぜここに来て円全面安となったのか、さらにこの先の為替市場はどうなるのかについて、FX開始直後から第一線で活動している、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が考察していきます。

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    今後も「円全面安」の方向性は継続か

    円全面安は、日本からの資本逃避、いわゆるキャピタル・フライトの始まりではないかとの見方もありますが、今のところそれは違うのではないでしょうか。

     

    先週にかけてこれまで見てきたように円全面安が広がりましたが、一方で株価は世界的に大きく上昇し、日本の株も反発が目立ちました。

     

    むしろ株価との関係で興味深かったのは、3月にかけて一時世界的な株安が広がったなかで、それに対する円高の反応が極めて限られたということではないでしょうか。

     

    株安、リスクオフが拡大する局面では、安全資産として円が買われて円高になる傾向がこれまではありましたが、最近にかけてその関係は大きく崩れました(図表5参照)。

     

    出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成
    [図表5]米ドル/円とNYダウ (2021年10月~) 出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

     

    これまで大きな円高要因となっていた株安、リスクオフ。ところが、そんな株安でも円高にならないことが確認されたことで、金利差拡大などの円安への動意が積極化し、対米ドルだけでなく、米ドル以外の通貨に対しても円安が広がるところとなったということではないでしょうか。

     

    それにしても、株安でも円高が限られる状況がこの先も続くなら、円高リスクは、円金利急騰などに限られることになるでしょうから、相対的に円安リスクを模索する展開が続く可能性が高そうです。

     

    テクニカルな観点からすると、長く続いた小動きをブレークすると、しばらくは小動きのレンジに戻らない傾向があります。その意味では、クロス円の多くも、円高への反動は限られ、円安方向を模索する展開が続くのではないでしょうか。

     

     

    吉田恒

    マネックス証券

    チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

     

     

    ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

     

     

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