「灘高の勉強の仕方を教えてほしい」という弟の申し出に、和田秀樹氏は改めて灘高に伝わる勉強法を体系化。灘式の勉強法をマスターした弟は、みるみるうちに実力を伸ばし、見事東大現役合格を果たしたといいます。精神科医の和田秀樹氏の著書『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)で解説します。

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灘式勉強法をマスターすれば東大合格できる

今にして思えば、私の弟は非常に気の毒な子ども時代を過ごしてきました。

 

というのも、私と比較して、「できの悪い子」「発達が遅れている子」というレッテルを貼られることが少なくなかったからです。

 

私が6月生まれなのに対して、弟は翌年の12月生まれ。

 

年子でありながら、実際には1年半の差がありました。

 

そのうえ、私が比較的言語発達の早い子だったのに比べ、弟は発達のスピードがゆるやかで、幼児期に大病を経験したこともあり、小学校に入学するころには、兄弟間で埋めようにも埋まらない差がついていました。

 

■「アホなほうの子」と言われた弟

 

父親はわりと雑な性格でしたから、そんな弟の屈折した心情に通じていたとはとても思えません。

 

弟の回想によれば、あるとき、父と弟の2人連れで街を歩いている途中に、こんな経験をしたそうです。

 

たまたま通りかかった父の知り合いが、声をかけてきました。

 

「どうもこんにちは。ああ! こちらが和田さんのところの賢いお坊ちゃんですか?」

 

どうやら、父親は私たち兄弟の与り知らないところで、長男である私のことを一方的に自慢していたようです。おそらく、私が灘中学に入学する前後の時期であり、「中学受験の模擬試験で1番になった」「こんなに勉強できる子だ」などと喧伝していたのでしょう。

 

お世辞を言ってきた知り合いに向かって、父は弟を指して次のように言い放ったそうです。

 

「いやあ、こいつはアホなほうの子でんねん」

 

その後50年近くは経過しているはずですが、今でも弟の記憶に父の一言がくっきり刻まれているようですから、相当ショッキングな言葉だったと思います。

 

■根拠なく「東大へ行きたい」

 

そんな弟は(私にしてみれば不思議で仕方ないのですが)成績が優秀であったわけでもないのに、根拠のない自信に満ちあふれた性格の持ち主でした。

 

私が東大に進学し、弟が高校3年に進級したとき、急に弟からこんな頼みを受けました。

 

「僕は灘高の勉強の仕方さえマスターすれば、絶対に東大に合格できると思う。だから、灘高の勉強の仕方を教えてほしい」

 

この申し出にはびっくりしました。

 

弟は、私に続こうとして受験した灘中を不合格となり、不本意ながら滑り止め受験をした学校に入学。そのまま高校へと進学していました。

 

その学校は、毎年京都大学の合格者が1人出るか出ないか、というくらいの学力レベルであり、東大合格を目指している生徒など皆無に近い状況です。

 

しかも、よく聞けば学校内での弟の成績は60位程度というではありませんか。普通に考えれば、関関同立クラスに進学できれば御の字というところです。

 

弟が東大に行きたいと言い出すなど、私にはまったく予想外の事態だったのです。

 

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アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉

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